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コラム

公務員から公務員への転職は可能?試験・タイミング・志望動機の書き方

✍️ 白川凌雅

「今の公務員の仕事に限界を感じているが、公務員という働き方自体は続けたい」

そう感じている方が、公務員から別の公務員ポジションへの転職(いわゆる「公務員→公務員」転職)を検討するケースが増えています。

国家→地方、地方→地方、省庁→自治体など、転職のパターンはさまざまです。この記事では、公務員から公務員への転職の方法・タイミング・志望動機の書き方を解説します。


公務員から公務員への転職は可能か

結論から言えば、可能です。ただし方法は大きく2つに分かれます。

① 採用試験を受け直す(一般採用)

多くの場合、転職先の公務員採用試験を受験することになります。新卒と同じ試験を受ける場合もあれば、経験者採用(社会人採用)枠がある場合もあります。

  • 国家公務員→地方公務員:地方自治体の採用試験を受験
  • 地方→別の地方:転職先の自治体の採用試験(または経験者採用枠)
  • 地方→国家:国家公務員採用試験または中途採用

② 経験者採用・中途採用枠を使う

近年、多くの自治体・国の機関で「社会人経験者採用」「即戦力採用」枠が設けられています。年齢要件が一般採用より緩和されており、職務経験を活かした書類・面接での選考が行われます。

公務員経験者はこの枠で有利に選考を受けられることが多く、30代・40代でも挑戦しやすいルートです。


公務員→公務員転職のよくあるパターン

パターン①:国家→地方(Uターン・地元に帰りたい)

国家公務員として勤務しながら、出身地の都道府県・市町村への転職を希望するケース。地域への愛着・家族の都合などが主な理由です。

パターン②:地方→地方(より都市部・農村部への移住)

勤務地の変更を目的とした転職。配偶者の転勤・介護など生活環境の変化が理由のことが多いです。

パターン③:専門職の異動(教育委員会→学校現場など)

同じ行政組織の中での異動ではなく、より専門性を発揮できる部門・機関に転職するケース。

パターン④:民間経験を経て公務員に戻る

一度民間に出た後、再び公務員として働きたいケースです。経験者採用枠で対応される場合が多いです。


公務員→公務員転職の注意点

現職の退職手続きは通常の転職と同様

公務員から公務員への転職でも、現職を正式に退職してから入職する必要があります。採用が決まってから退職日を調整するのが基本です。年度末(3月末)退職・4月入職のパターンが最もスムーズです。

試験・採用選考の日程と現職の調整

採用試験の日程は事前に確認し、有給休暇を使って受験するケースが多いです。在職中に試験を受けることは問題ありませんが、勤務時間への影響や情報管理には注意しましょう。

給与・待遇のリセットに注意

公務員の給与は在職年数に応じて昇給しますが、転職先では在職歴がリセットされる場合があります。ただし、前職の経験年数を考慮した「号俸調整」が行われる自治体もあるため、転職先の人事担当者に確認しましょう。


面接での志望動機の書き方

公務員→公務員転職で最も問われるのが「なぜ今の職を辞めて、うちに来るのか」です。

採用担当者が気にしていること:

  • 問題があって逃げてきたのか
  • 本当にこの職場・地域に貢献したいのか
  • 長く働いてくれるのか

志望動機のNG例

✕「現在の職場は業務が多く、体力的につらいため」 ✕「国家公務員より地方の方が安定していると思ったので」 ✕「地元に帰りたいだけです」

現職への不満や「消去法」で選んだという印象は、採用担当者に「またすぐ辞めるのでは」と思わせてしまいます。

志望動機のOK例(地元への転職の場合)

「現職では〇〇の業務を担当し、国レベルの政策形成に携わってきました。 その経験を活かして、自分が育った〇〇市の地域振興により直接貢献したいという思いが 年々強くなりました。特に、現在の業務で培った〇〇のスキルを、 〇〇市の〇〇施策に活かせると考えており、強く志望しています。」

志望動機のOK例(専門性を活かしたい場合)

「現職では主に〇〇の行政事務に携わってきましたが、より教育現場に近い立場で 子どもたちに直接関わる仕事がしたいという思いが強くなりました。 〇〇市教育委員会での〇〇の取り組みに共感し、 これまでの行政経験を活かしながら貢献したいと考えています。」

志望動機のポイント

  • 「なぜここか」という特定性を必ず入れる
  • 現職での経験と転職先での貢献を結びつける
  • ネガティブな理由は前面に出さず、前向きな動機を語る

志望動機の考え方については「未経験転職の志望動機の書き方」も参考になります。


経験者採用枠の活用:アピールすべき強み

公務員経験者として経験者採用に応募する場合、以下の点をアピールしましょう。

① 行政手続きへの精通

法令・条例・申請手続きなど、行政ならではの知識は即戦力として高く評価されます。

② ステークホルダーとの調整経験

議会対応・上位機関との折衝・住民対応など、複数の関係者を巻き込んだ調整経験は多くの職場で活きます。

③ 守秘義務・コンプライアンス意識

個人情報の取り扱い・守秘義務への意識は、公務員時代から染みついた強みです。


公務員→公務員転職のQ&A

Q:経験者採用枠は何歳まで応募できますか?

A:自治体によって異なりますが、多くは「59歳以下」などの年齢上限が設けられています。ただし、近年は上限が引き上げられる傾向があります。受験先の自治体・機関の採用要綱を必ず確認しましょう。

Q:在職中に採用試験を受けても問題ありませんか?

A:試験を受けること自体は問題ありません。ただし、勤務時間中の試験受験や、職場での情報管理には注意が必要です。

Q:内定が決まってから現職に退職を伝える順番は?

A:内定を確認した後に退職の意思を伝えるのが一般的です。ただし、年度末・年度始めの入職に合わせて調整が必要なため、早めに上司に相談するのが無難です。


まとめ

公務員から公務員への転職について:

項目 ポイント
方法 採用試験受験 or 経験者採用枠
タイミング 年度末退職・4月入職が最もスムーズ
志望動機 「なぜここか」の特定性+前向きな貢献意欲
注意点 給与の号俸調整・在職中の情報管理

「公務員であり続けたい」という選択は十分に有効なキャリア戦略です。転職先をしっかり研究し、志望動機を丁寧に準備することで、成功の確率を高めましょう。


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白川凌雅

新卒でリンクアンドモチベーションに入社し、中堅・ベンチャーの組織人事コンサルに従事。 その後、KPMGコンサルティング、他Big4にて上場企業の役員報酬策定や人材開発、PMOをリードし、年間最優秀プロジェクト賞を受賞。