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コラム

転職と保育園を両立するには?退職前に確認すべきこと総まとめ

✍️ 白川凌雅

「転職したいけど、保育園のことを考えると動けない」——そう感じているパパ・ママは少なくありません。退職したら保育園を退所しなければならないのか、転職活動中の面接や会社見学はどうやって調整すればいいのか、疑問は山積みです。

実は、転職のタイミングを間違えると保育園を失うリスクがあります。一方で、正しい順番で動けば、保育園を継続しながらスムーズに転職を成功させることは十分可能です。

この記事でわかること:

  • 退職後に保育園を継続して利用できる条件
  • 転職活動中の保育園スケジュールの組み方
  • 在職中に転職活動を進めるべき理由
  • 内定後・入社前の保育園手続きの流れ
  • 転職と保育園を両立するよくある疑問への答え

転職と保育園の基本的な関係を整理しよう

保育園の利用条件「保育の必要性」とは

保育園(認可保育所・認定こども園)を利用するには、保護者に「保育の必要性」があることが条件です。代表的な理由は就労ですが、求職活動中も一定期間は保育の必要性が認められるケースがほとんどです。

自治体によって差はありますが、「求職活動中」を理由とした保育利用は、認定期間が就労中より短く設定されているのが一般的です。多くの自治体では、求職活動を理由とした認定期間は3ヶ月程度です。この期間内に就職先を決め、就労証明書を提出できれば継続利用できます。

退職したらすぐに保育園を辞めなければいけないのか

「退職したら保育園を退所しなければならない」と思い込んでいる人が多いですが、必ずしもそうではありません。退職後、求職活動中として認定を継続してもらえれば、子どもは引き続き保育園に通えます。

ただし、自治体への届け出が必要です。退職後に「求職活動中」への切り替え手続きをしないと、保育認定が取り消されるリスクがあります。退職が決まった時点で、速やかに自治体の担当窓口に相談しましょう。

転職先が決まってから退職すべき最大の理由

転職と保育園の両立を考えるうえで最も大切なのは、「在職中に転職先を確定させること」です。

在職中ならば現在の就労を理由に保育認定が継続します。転職先が決まって内定をもらい、入社日が確定してから退職すれば、保育園を途切れさせずに転職できます。退職→求職活動という順番では、期間内に就職先が決まらないリスクが生じます。


転職活動中の保育園スケジュールの組み方

在職中に転職活動を進める3つのメリット

在職中に転職活動を行うことは、保育園の観点からも、転職そのものの成功率の観点からも有利です。

1. 保育認定が継続する 現在の就労を理由に保育認定が維持されるため、退職後の求職期間という不安定な期間を設けずに済みます。子どもを保育園に預けながら面接や説明会に参加できます。

2. 収入が途絶えない 転職活動が想定より長引いた場合でも、収入が途絶えないため家計的なプレッシャーが少ないです。これが精神的な余裕を生み、より慎重に転職先を選ぶことができます。

3. 交渉力が高まる 「今すぐ働ける」という状態の人よりも、「在職中で条件が合えば移る」という立場のほうが、入社時期の交渉がしやすくなります。

面接のスケジュール調整のコツ

在職中の転職活動で多くの人が悩むのが、面接の日程調整です。保育園のお迎え時間、仕事、面接の3つを調整するのは確かに大変ですが、いくつかのコツがあります。

有給休暇を活用する 面接は平日の日中に設定されることがほとんどです。有給休暇を計画的に使いましょう。複数の面接を1日にまとめて入れることで、有給消化の回数を減らすことができます。

オンライン面接を積極的に活用する 近年、1次面接はオンラインで実施する企業が増えています。オンライン面接であれば、保育園の送迎後や昼休みなどの時間に自宅や近くのカフェから受けることも可能です。

面接時間を午前中または夕方以降に希望する 保育園のお迎え時間(多くの場合18〜19時)を考えると、面接は午前中か昼前が望ましいです。最終面接などで夕方以降しか設定できない場合は、パートナーや両親に迎えを依頼するプランを用意しておきましょう。

転職活動期間の目安と保育園継続のタイムライン

転職活動の平均期間は3〜6ヶ月と言われています。在職中から活動を始めれば、この期間はすべて現在の就労を理由に保育認定が維持されます。

目安のタイムラインは以下の通りです:

期間 やること
1〜2ヶ月目 自己分析・求人リサーチ・応募書類の作成
2〜4ヶ月目 面接(1次〜最終面接)
4〜5ヶ月目 内定・条件交渉・入社日の確定
5〜6ヶ月目 現職への退職申告・引き継ぎ
入社後 新しい就労証明書を保育園に提出

内定後・退職後に保育園でやるべき手続き

内定が出たら就労証明書の手配を忘れずに

内定が決まったら、新しい勤務先に「就労証明書(就労状況申告書)」の作成を依頼しましょう。これは自治体の保育認定を継続・更新するために必要な書類です。

多くの場合、内定後〜入社前でも書類を発行してもらえます。ただし、会社によっては「入社後でないと発行できない」という場合もあります。内定の段階で採用担当者に確認しておくと安心です。

転職で勤務先が変わる場合の届け出

保育園に通わせている保護者が転職した場合、自治体へ変更届を提出する必要があります。勤務先が変わったことを届け出ずにいると、認定条件の変更確認が求められた際に問題になる可能性があります。

届け出の時期は「転職(就労開始)から概ね2週間以内」とする自治体が多いです。新しい会社から就労証明書をもらったら、速やかに自治体の担当窓口に提出しましょう。

勤務時間や働き方が変わる場合の保育区分への影響

フルタイム勤務からパートタイムへ、または逆の変更がある場合、保育認定の区分(保育標準時間・保育短時間)が変わる可能性があります。

  • 保育標準時間:1日最大11時間、フルタイム就労の場合に適用されることが多い
  • 保育短時間:1日最大8時間、パートタイム就労の場合に適用されることが多い

区分が変わると、保育園の利用できる時間帯が変わります。転職後の勤務時間をもとに、どちらの区分になるか確認しておきましょう。


転職と保育園に関するよくある疑問【FAQ】

転職先が決まらないまま退職してしまったら?

退職後、すぐに自治体に「求職活動中」への切り替え申請を行いましょう。多くの自治体では、求職活動を理由とした保育継続を3ヶ月程度認めています。この期間内に就職先を見つけ、就労証明書を提出することが必要です。

期間内に就職できなかった場合、保育認定が取り消され、退所となる可能性があります。転職先が決まる前の退職はリスクが高いため、可能な限り在職中に活動を進めることをおすすめします。

転職後すぐに産休・育休に入る場合はどうなる?

育休中は「育児休業中」として保育認定が維持されます。転職してすぐに育休を取得した場合も同様です。ただし、転職後の育休取得については勤務先の規定によって異なる場合があるため、内定後に就業規則を確認しておきましょう。

転職してすぐに妊娠が判明した場合については、転職してすぐ妊娠した場合の対処法の記事もご参考ください。

パパ(父親)が転職する場合は?

保育園の認定は「世帯の就労状況」で判断されます。ママがフルタイムで働いており、パパが転職活動中・退職中であっても、ママの就労を理由に保育認定が維持されるケースがほとんどです。

ただし、両親ともに無職・求職活動中の場合は、認定条件が変わる可能性があります。ご夫婦で転職のタイミングが重なる場合は特に注意が必要です。

認可外保育園の場合はどうなる?

認可外保育園は自治体の保育認定が不要な場合が多く、就労状況にかかわらず利用を継続できることが一般的です。ただし、自治体から補助金を受けている認可外保育園では、就労状況の確認を求められるケースもあります。通わせている施設に直接確認しましょう。

転職先の勤務地が遠くなった場合、保育園はどうする?

転職後の通勤先が大幅に変わる場合、現在の保育園から送迎が難しくなることがあります。転職先を選ぶ際に、保育園への送迎ルートや時間も含めて検討することをおすすめします。

どうしても送迎が困難になる場合は、新しい勤務先の近くの保育園への転園も選択肢の一つです。ただし、認可保育所への転園は倍率が高く時間がかかることが多いため、内定が決まった時点で早めに動き始めましょう。


転職と保育園を両立するためのチェックリスト

転職前・転職中・転職後にやるべきことを確認しましょう。

転職活動開始前

  • 現在の保育認定の種類(標準時間・短時間)を確認した
  • 自治体の「求職活動中」認定期間を調べた
  • 在職中に転職活動を進める計画を立てた

転職活動中

  • 面接日程は保育園のお迎え時間に支障がない時間帯で調整している
  • オンライン面接を活用できる環境を整えた
  • パートナーや両親にサポートを依頼した

内定後・退職前

  • 新しい勤務先に就労証明書の発行を依頼した
  • 入社日と退職日を調整し、空白期間がないようにした
  • 保育園への変更届の手順を確認した

転職後

  • 自治体に就労先変更の届け出を提出した
  • 保育区分の変更が必要かどうか確認した

まとめ

  • 転職と保育園の両立には「在職中に転職活動を進める」ことが最重要
  • 退職後も「求職活動中」として保育を継続できる期間が自治体ごとにある(多くは3ヶ月程度)
  • 面接はオンラインや午前中を活用し、送迎スケジュールと両立させる
  • 内定後は新しい勤務先に就労証明書の発行を依頼し、自治体への届け出を速やかに行う
  • 転職後の勤務時間が変わる場合、保育区分(標準時間・短時間)が変わる可能性がある
  • 認可外保育園と認可保育園では手続きが異なるため、通わせている施設に直接確認が必要

転職先を決めてから退職するという正しい順番で進めれば、保育園を途切れさせることなくスムーズに転職できます。タイミングを意識しながら、計画的に転職活動を進めていきましょう。


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白川凌雅

新卒でリンクアンドモチベーションに入社し、中堅・ベンチャーの組織人事コンサルに従事。 その後、KPMGコンサルティング、他Big4にて上場企業の役員報酬策定や人材開発、PMOをリードし、年間最優秀プロジェクト賞を受賞。