転職の内定辞退メールの書き方例文|失礼のない理由の伝え方とマナー
「第一志望の企業から内定が出たので、他社の内定を断らなければならない」「内定通知をもらってからじっくり考えた結果、やはり今の会社に残ることにした」
転職活動において、内定をもらうことは喜ばしいことですが、同時に「辞退の連絡」という心苦しい作業も発生します。
結論:内定辞退は転職活動において決して珍しいことではなく、マナーさえ守れば失礼にあたることはありません。むしろ、連絡を先延ばしにすることこそが、企業にとって最大の迷惑となります。
リクルートの調査では、転職者の約45%が複数社への内定辞退を経験しており、正しく対応できた人のほとんどは「問題なく完了した」と答えています。
この記事でわかること:
- 内定辞退の3つの鉄則(守るべき基本マナー)
- 【状況別】そのまま使える内定辞退メールの例文5パターン
- 内定承諾後の辞退という難しいケースへの対処法
- 法的リスクと損害賠償について知っておくべきこと
- 強引な引き止めへの対処法とFAQ
内定辞退の「3つの鉄則」:トラブルを防ぐために
メール作成に入る前に、絶対に守るべき3つの基本ルールを確認しましょう。
鉄則1. 「迅速さ」がすべてに優先する
辞退を決めたら、その日のうちに(遅くとも翌営業日の午前中までに)連絡しましょう。企業はあなたを受け入れるために、デスクの準備や他候補者へのお断り連絡を始めています。早ければ早いほど、企業のダメージを最小限に抑えられます。
辞退連絡が1日遅れるごとに企業が受けるリスク:
- 採用ポジションの空白期間が長引く
- 次点候補者への連絡タイミングを逃す
- 入社準備のコスト(デスク・PC・社員証手配)が無駄になる
鉄則2. 「電話」と「メール」を併用する
基本はメールで構いませんが、最終面接後や内定承諾後など、選考が進んでいる段階での辞退は、**「まずは電話で一報を入れ、その後に正式なメールを送る」**のが最も誠実でトラブルの少ない方法です。
| 状況 | 推奨する連絡方法 |
|---|---|
| 内定通知直後の辞退 | メールのみでOK |
| 最終面接通過後の辞退 | 電話→メールの順 |
| 内定承諾後の辞退 | 必ず電話→メール |
| エージェント経由の場合 | エージェントに相談して代行依頼 |
鉄則3. 正直かつ簡潔に。過度な嘘は不要
辞退理由は「一身上の都合」で通りますが、詳しく聞かれた場合は「他社のほうが自身のキャリアプランに合致すると判断した」など、差し障りのない事実を伝えましょう。
具体的な理由として使えるフレーズ:
- 「他社との選考を並行しており、自身のキャリアプランとの整合性を総合的に判断した結果」
- 「現在の職場での状況が変化し、転職活動を一時中断することとした」
- 「家族との相談の結果、現時点での転職を見送ることとした」
【状況別】そのまま使える!内定辞退メール例文
パターン1:他社への入社を決めた場合(最も一般的)
最も一般的で、担当者も(残念ではありますが)納得しやすい理由です。
件名: 【内定辞退のご連絡】(氏名)
株式会社〇〇 採用担当 〇〇様
大変お世話になっております。〇〇(氏名)です。
先日は内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。 貴社のような魅力的な企業より評価をいただきましたこと、心より光栄に存じます。
頂いた内定につきまして慎重に検討を重ねてまいりましたが、誠に恐縮ながら、この度は内定を辞退させていただきたくご連絡申し上げました。
理由としましては、他社との並行選考の中で、自身の今後のキャリアパスを鑑み、別の企業様とのご縁を優先させていただく決断に至ったためです。
貴重な選考の機会を頂戴しながら、このような結果となり多大なるご迷惑をおかけすること、深くお詫び申し上げます。
本来であれば直接お伺いしてお詫びすべきところ、まずはメールでのご連絡となりますこと、何卒ご容赦ください。 貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
〇〇(氏名) 連絡先:090-XXXX-XXXX
パターン2:現職に残ることを決めた場合
件名: 【内定辞退のご連絡】(氏名)
株式会社〇〇 採用担当 〇〇様
お世話になっております。〇〇と申します。
先日は内定のご通知をいただき、誠にありがとうございました。 慎重に検討を重ねてまいりましたが、諸事情を踏まえ現職に留まる決断をいたしました。
せっかくのご縁をいただきながら、誠に申し訳ございません。 選考に多くのお時間とご尽力をいただいたにもかかわらず、このようなご連絡となりましたことを深くお詫び申し上げます。
貴社の一層のご発展をお祈りしております。
〇〇(氏名)
パターン3:エージェント経由での内定辞退
エージェント経由の選考では、まずエージェントに辞退の意向を伝え、エージェントから企業へ連絡してもらうのが基本です。直接企業へ連絡するのは二重連絡になるためNG。
エージェントへの連絡例:
件名:内定辞退についてご相談(〇〇)
〇〇様
お世話になっております。 先日〇〇株式会社よりいただいた内定につきまして、 誠に恐縮ながら辞退させていただきたくご連絡いたしました。
理由は、〇〇社との選考を優先させていただくためです。 〇〇社への辞退連絡のご対応をいただけますでしょうか。
ご迷惑をおかけして大変申し訳ございませんが、 よろしくお願いいたします。
パターン4:複数の内定を辞退する場合(同時期)
複数社同時に辞退するケースでも、それぞれの企業へ個別にメールを送ります。テンプレートを使いまわして良いですが、必ず企業名・担当者名は正確に入れましょう。
よくある失敗:他社の企業名が残ったまま送信してしまう(例:「A社の〇〇様」のメールにB社の名前が混在)。必ず1通ずつ確認して送信を。
パターン5:内定承諾書を提出した「後」に辞退する場合
法的にもデリケートな場面です。丁寧な謝罪と、迅速な連絡が不可欠です。このケースは必ず電話で先に謝罪し、その後にメールを送るのが鉄則です。
件名: 【重要】内定辞退に関するお詫び(氏名)
株式会社〇〇 総務部 採用担当 〇〇様
以前、内定承諾書をお送りいたしました〇〇(氏名)です。 先ほどはお電話にてお時間をいただき、誠にありがとうございました。
改めまして、内定を承諾したにもかかわらず、自身の勝手な判断により辞退をさせていただくこと、心より深くお詫び申し上げます。
承諾後に改めて自身の将来を熟考した結果、どうしても拭いきれない迷いが生じ、このようなタイミングでのご連絡となってしまいました。
貴社の入社準備に多大なるご迷惑をおかけすることを重々承知しており、誠に申し訳ございません。 重ねてお詫び申し上げます。
法的リスクと損害賠償について知っておくべきこと
「内定を辞退したら訴えられるのではないか?」という不安を抱く方もいますが、過度に恐れる必要はありません。
法的な根拠:
- 職業選択の自由:日本国憲法22条により、労働者には職業を選ぶ自由が認められています。
- 民法第627条:労働契約の解除(退職や辞退)は、入社予定日の2週間前までに申し出れば有効とされています。
- 損害賠償が認められる条件:「採用のために数百万円の特別研修を既に実施した」「入社日に備えて住居を用意した」など、極めて特殊なケースに限られます。通常の辞退で訴訟になることはほぼありません。
承諾後の辞退でも同様:内定承諾書を提出した後でも、法的には労働契約の解除が認められています。ただし、内定承諾から入社まで日数が少ない場合や、特別な準備コストが発生している場合は損害賠償リスクが若干高まるため、なるべく早めに連絡することが大切です。
強引な「引き止め」や「呼び出し」への対処法
もし企業から「今すぐ会社に来て説明しろ」「損害が出るぞ」と強く言われたら。
毅然とした態度を保つ:感謝とお詫びは伝えつつ、「意思は固まっており、これ以上の交渉の余地はありません」とはっきり伝えましょう。感情的にならず、落ち着いて繰り返しましょう。
録音・記録する:トラブルが深刻化しそうな場合は、証拠を残すことが身を守ることに繋がります。電話であれば録音、メールであれば保存を。
エージェントを介している場合:直接のやり取りを避け、すべてエージェントに任せましょう。それがエージェントを利用する大きなメリットの一つです。
相談窓口を利用する:不当な要求が続く場合は、労働局や都道府県の労働相談センターに相談することもできます。
FAQ:内定辞退のよくある質問
Q1. 内定辞退は電話とメール、どちらが良いですか?
メールのみでも問題ありませんが、最終面接通過後や内定承諾後の辞退は「電話→メール」の順が丁寧です。深夜・早朝の辞退連絡はメールのみにして、翌日営業時間内に電話でフォローするのがベストです。
Q2. 辞退理由は正直に話すべきですか?
「他社を優先しました」という理由で問題ありません。「御社に不満がある」「内定後に別の企業を受けていた」などは言わないほうが無難です。「一身上の都合」「キャリアプランを総合的に判断した」で十分です。
Q3. 辞退メールを送ったのに返信が来ない場合は?
3〜5営業日待っても返信がなければ、電話で確認しましょう。「メールが届いているか確認したく、お電話しました」という形で連絡すれば自然です。
Q4. 採用担当者と面識がある場合、もっと丁寧にすべきですか?
面接を通じて良い関係を築いた場合は、メールの文面をより丁寧にするか、電話でのお詫びを先に入れると誠実さが伝わります。「貴社の〇〇部長(面接官)にもどうかよろしくお伝えください」と添えると印象が柔らかくなります。
Q5. 辞退後に同じ企業に再応募することはできますか?
可能ですが、再応募の際には「以前辞退した経緯」が記録に残っている場合があります。同じ業界・規模の企業であれば担当者が変わっていることもありますが、事前に「以前選考でお世話になりましたが」と明示するのが誠実です。
まとめ:内定辞退メール 成功のポイント
内定辞退は、相手への配慮と迅速さで印象が大きく変わります。
- スピード勝負:決断したら即、連絡。
- 電話フォローを入れる:特に承諾後の辞退は声で謝罪を。
- 理由は抽象的でOK:「他社優先」「キャリアプランの再考」など。
- 法的権利を知っておく:過度な脅しに屈しない。
- エージェントに相談:困ったらプロに間に入ってもらう。
- 感謝とお詫びをセットに:5分で書けるメールが、将来の縁を守る。
辞退連絡後も、世の中は意外と狭いものです。誠実に対応することで、将来別の形でご縁が繋がることもあります。今の誠実な1通が、長期的な評判を守る投資になります。
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白川凌雅
新卒でリンクアンドモチベーションに入社し、中堅・ベンチャーの組織人事コンサルに従事。 その後、KPMGコンサルティング、他Big4にて上場企業の役員報酬策定や人材開発、PMOをリードし、年間最優秀プロジェクト賞を受賞。
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