転職で年収が下がるのは当たり前?統計データから見る現実と対策
「転職したら年収が下がるのは仕方ないと聞くけれど、本当に当たり前のことなのか」——転職を検討しているとき、年収への不安は最も大きな躊躇の原因の一つです。
結論:転職で年収が「当たり前に下がる」わけではありません。厚生労働省の統計(令和5年)では、増加37.2%・減少32.4%・変わらず28.8%と、増加が最多です。ただし、未経験職種への転職や給与水準の低い業界では下がるリスクが高まります。
この記事では、統計データをもとに年収変動の実態を示した上で、年収を下げずに転職する具体策を解説します。
- 厚生労働省・大手エージェント各社の最新統計データ
- 年収が下がりやすい「4つのパターン」と回避法
- 「1割以内の減少」を許容ラインとする根拠と生活への影響試算
転職と年収変動の実態:最新統計データ
結論:転職で年収が上がる人は約37〜59%、下がる人は約32〜35%というのが各調査の共通した傾向です。「当たり前に下がる」わけではなく、上がる可能性の方が高くなっています。
| 調査元 | 増加 | 減少 | 変わらず |
|---|---|---|---|
| 厚生労働省 雇用動向調査(令和5年) | 37.2% | 32.4% | 28.8% |
| doda(2026年1月版) | 58.8% | — | — |
| ミドルの転職(2024年) | 49% | — | — |
| マイナビ(2023年実績) | 約40% | — | — |
特に30代・40代の転職では、経験・実績が評価されやすく、年収増加率が高くなる傾向があります(30代54%、40代52%が年収アップと報告されるデータも)。
年収が下がりやすい「4つのパターン」と回避法
パターン1:未経験職種・業界への転職
キャリアチェンジは「即戦力評価」を受けにくいため、最も年収が下がりやすいケースです。ただし、習得後の将来的な年収回復を見越した「短期的な投資」と割り切ることも戦略のひとつです。
回避法: 現職のスキルが活かせる隣接職種への転職を優先し、完全未経験よりも「部分的な強み流用」ができる求人を選ぶ。
パターン2:大手→中小企業へのダウンサイジング
企業規模が変わることで、基本給・各種手当・福利厚生の水準が変化します。
回避法: 固定給だけでなく、賞与・残業代・手当の実態を比較する。中小企業は成果次第で大手を超える報酬を得られるケースもあるため、評価制度の中身を確認する。
パターン3:残業代・手当の構造が変わる
前職で残業代が多かった場合、残業が少ない職場に移ると「固定給は変わらないのに実収入が減る」という逆転現象が起きます。
回避法: 「みなし残業制度」の月換算時間数と、実際の残業時間を面接で確認する。年収は「基本給」ではなく「総支給額」で比較する。
パターン4:都市部から地方への転職
地域間の給与格差は実在します。同じ役職・職種でも、地方では20〜30%程度年収が下がるケースがあります。
回避法: 地方でのリモートワーク求人(本社水準の給与を維持)を優先的に探す。
「1割以内の減少」が許容ラインとされる根拠
結論:一般的に、年収の10%以内の減少であれば「許容ライン」とされています。10%を超えると日常生活への影響が大きくなります。
例:現在の年収が450万円の場合
| 年収変動 | 月収換算の変化 | 影響度 |
|---|---|---|
| +10%(495万円) | +3.75万円/月 | 生活余裕が増す |
| ±0%(450万円) | 変化なし | 影響なし |
| -10%(405万円) | -3.75万円/月 | 貯蓄・外食等を見直す必要あり |
| -20%(360万円) | -7.5万円/月 | 家賃・通信費など固定費に影響 |
10%の減少(月3〜4万円)であれば節約で対応可能ですが、20%を超えると生活設計の見直しが必要になります。転職前に「月次の生活費シミュレーション」を行うことを強くおすすめします。
年収を下げずに転職するための3つの戦略
①「市場価値」を先に把握してから動く
転職前に、複数のエージェントに自分の評価額を確認することで「最低限守るべき年収ライン」が分かります。エージェントへの登録・相談は無料のため、比較材料として積極的に活用するべきです。
②内定後に年収交渉を必ず行う
多くの転職者が「提示金額がそのまま最終条件」と思っている。ただし年収交渉を試みた人の約90%が何らかの引き上げに成功しているというデータがあります。「内定通知後〜承諾前」が交渉の唯一のタイミングです。
③複数社に並行応募して「競争させる」
1社のみの選考に絞ると交渉の余地がなくなります。複数内定を持った状態で「他社からもオファーをいただいているのですが、御社への入社を優先して考えたいと思っています」と伝えることが、最も効果的な年収交渉のレバレッジになります。
まとめ
- 転職で年収が下がるのは「当たり前」ではなく、約37〜59%の転職者が年収を増やしている(調査による)。
- 未経験職種・大手→中小・残業代の変化・地方移転のいずれかが重なる場合に年収が下がりやすい。
- 年収ダウンの許容ラインは一般的に10%以内。それを超えると月次の生活費への影響が大きくなる。
- 年収交渉を試みた人の約90%が引き上げに成功している。「内定後〜承諾前」が唯一の交渉タイミング。
- 複数内定を持った状態での交渉が最も効果的で、1社独占の選考では交渉の余地がなくなる。
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白川凌雅
新卒でリンクアンドモチベーションに入社し、中堅・ベンチャーの組織人事コンサルに従事。 その後、KPMGコンサルティング、他Big4にて上場企業の役員報酬策定や人材開発、PMOをリードし、年間最優秀プロジェクト賞を受賞。