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コラム

転職しやすい時期はいつ?月別の求人動向と狙い目シーズン

✍️ 白川凌雅

「転職するなら時期を選んだほうがいい」とよく言われますが、具体的にどの時期が有利で、どの時期が不利なのかを整理した情報は意外と少ないものです。

この記事では、転職市場の月別の動向と「なぜその時期に求人が多いのか」という理由を解説します。また、他の記事ではあまり触れられていない「業種・職種によって狙い目が変わる」という視点と、「時期より状態が大事」というポイントも整理します。

  • 月別の求人動向と転職市場の季節性
  • 転職しやすい時期・しにくい時期の特徴
  • 業種・職種ごとの狙い目時期の違い
  • オフシーズンでも転職を成功させるポイント
  • 「おすすめ時期」より大事なこと

月別・転職市場の求人動向

結論:転職市場には2つのピーク(1〜3月・7〜9月)とオフシーズン(4〜6月・10〜12月)があります。ただし「ピーク時期=誰にでも有利」というわけではありません。

1月:求人数が急増するスタート月

1月は転職市場が一気に動き出す月です。

なぜ求人が増えるのか

  • 企業が4月入社・新年度に向けて採用計画を本格始動させる
  • 年末年始で「今年こそ転職しよう」と決意した求職者が活動を再開する
  • 前年度の採用未達分の補充が集中する

1月は求人数・求職者数ともに増える月です。求人の選択肢は広がりますが、競争率も上がります。「年始から動き始める」ことで、人気求人に早めにアクセスできる可能性があります。

2月:最も内定が出やすい月

転職活動において2月は「内定が出やすい月」として知られています。

1月から活動を始めた求職者の選考が2月に集中し、採用意欲が高い企業が積極的に内定を出す時期です。また、4月入社を目指す企業にとって2月は「ぎりぎり間に合う」タイミングでもあり、スピード感のある選考が多くなります。

3月入社(=2月内定)を目指すなら、12月〜1月には書類を出し始めている必要があります。

3月:求人数は多いが、採用がやや落ち着く

3月は企業の年度末にあたり、人事部門が異動・新卒採用・評価業務で忙しくなります。新規求人は引き続き出るものの、選考スピードが落ちたり、「4月以降に持ち越し」になるケースが増えます。

3月に内定を目指すより、3月に応募して4〜5月入社を狙うというスタンスが現実的です。

4〜6月:転職市場のオフシーズン

4〜6月は新卒入社・異動が落ち着き、中途採用の求人数が減る時期です。

ただし、「求人数が少ない=不利」とは言い切れません。

オフシーズンのメリット

  • 競争相手の求職者が少ないため、一人ひとりの審査が丁寧になる
  • 採用担当者が余裕を持って対応してくれることが多い
  • 「欠員補充」の急募求人が出ることもあり、即決されやすい

狙い目求人のタイプ:急な退職や欠員による即戦力採用。スキルと経験がマッチしていれば、競争率が低いぶん通過しやすいです。

7月:下半期スタートで採用が活発化

7月は下半期の始まりで、企業が採用予算を再確認し採用活動を本格再開させる月です。

夏のボーナスを受け取ってから転職活動を始める人が多いため、8〜9月の求職者増を見越して7月から採用準備を始める企業も多くあります。「良い求人が出始めるタイミング」として、7月から情報収集を始めるのは有効です。

8〜9月:第二の繁忙期

8〜9月は年間を通じて1〜3月に次ぐ求人数の多い時期です。

特徴

  • 夏のボーナス支給後に退職する人が増え、欠員補充の求人が出る
  • 10月入社を目指す企業の採用が集中する
  • 求職者数は1〜3月ほど多くないため、競争率が比較的低め

1〜3月との違い:1〜3月は「4月新年度の定期採用」が多いのに対し、8〜9月は「欠員補充・即戦力採用」が中心。ポジションが明確な求人が多く、「この職種でこのスキルを持つ人が欲しい」というピンポイントな採用が多い傾向があります。

10〜12月:求人数が落ち着く時期

10〜12月は年末に向けて採用活動がスローダウンします。ただし完全にゼロになるわけではなく、12月でも求人は継続して出ています。

10〜12月に転職活動を始めるメリット:1〜3月の繁忙期に向けて準備を整え、1月から本格的に応募できる状態にできる。「準備期間」として活用する戦略です。


業種・職種ごとの狙い目時期

転職市場の動向は業種・職種によって異なります。一般的な「1〜3月が有利」というルールが当てはまらない業種もあります。

IT・エンジニア職

IT業界は慢性的な人材不足であり、時期を問わず求人が出続けています。ただし、システム導入・刷新プロジェクトの時期(4〜6月・10〜12月が多い)に合わせて採用が増えることがあります。

エンジニア転職は「季節を選ぶ」よりも、「スキルセットと求人のマッチング」を重視するほうが効果的です。

営業職

営業職は年間を通じて求人が多く、特定の時期に極端に偏る傾向は少ないです。ただし、業績発表後(4〜5月・10〜11月)に組織変更が起き、新ポジションの求人が出ることがあります。

事務・管理部門

事務・経理・人事などの管理部門は、1〜3月の繁忙期に求人が集中しやすいです。特に経理は3月決算に向けた即戦力採用が2〜3月に出やすく、「今すぐ入ってほしい」という急募求人が多くなります。

医療・介護・福祉

医療・介護職は慢性的な人材不足が続いており、時期を問わず求人が多い業種です。転職市場の季節性よりも、「資格・経験のマッチング」がほぼすべてを決めます。

サービス・小売・飲食

繁忙期前(年末年始・GW・夏休みの前)に採用が増える傾向があります。業界によって異なるため、「その業界の繁忙期の2〜3ヶ月前」を目安に求人が増える時期を予測すると良いでしょう。


オフシーズンでも転職を成功させるポイント

「もう4月になってしまった」「10月から動き始めた」という場合でも、転職は十分可能です。

ポイント①:欠員補充の急募求人に集中する

オフシーズンの求人は「計画的採用」より「欠員補充」が中心になります。これらは即決されやすく、選考スピードが速い傾向があります。「転職エージェントに急募求人を紹介してもらう」という方法が有効です。

ポイント②:非公開求人を狙う

求人サイトに掲載されない非公開求人は、時期に関係なく一定数存在しています。転職エージェント経由でしかアクセスできないため、エージェントへの登録は時期を選ばずメリットがあります。

ポイント③:準備を徹底して通過率を上げる

オフシーズンは求人数が少ないぶん、1社あたりの選考を丁寧に進めることが重要です。競争相手が少ない時期だからこそ、書類・面接の質を高めれば通過率を上げられます。


「おすすめ時期」より大事なこと

転職でよく言われる「時期の選び方」は確かに重要ですが、それよりも大事なことがあります。

準備の質が時期の影響を上回る

「1〜3月が最も求人が多い」という事実があっても、転職の軸が定まっていない・職務経歴書が使い回しになっている・面接で志望動機を具体的に話せない——という状態では、繁忙期に活動しても結果は出ません。

逆に、オフシーズンであっても準備が整っていれば、「欲しい人材が来た」という理由でスピード採用されるケースは珍しくありません。

タイミングより「どういう状態で動くか」

「今すぐ動かないといけない」「今月中に決めなければ」という外部の締め切りを理由に判断を急ぐのは危険です。転職市場の繁忙期に合わせることは有効ですが、「準備ができていないまま繁忙期に突入する」くらいなら、次のシーズンに照準を合わせるほうが賢明です。

転職の全体スケジュールの設計については「転職活動の進め方ガイド|タイミング・期間・コツを完全解説」をご覧ください。


月別・転職おすすめ度まとめ

求人数 競争率 おすすめ度 特徴
1月 多い 高い ★★★★☆ 繁忙期スタート。求人豊富だが競争激化
2月 多い 高い ★★★★★ 内定が最も出やすい月
3月 多い 普通 ★★★☆☆ 採用がやや落ち着く。4月入社には遅め
4月 少ない 低い ★★☆☆☆ オフシーズン開始。欠員補充狙いなら可
5月 少ない 低い ★★☆☆☆ GW明けは動き始める企業も
6月 普通 低い ★★★☆☆ 下半期準備が始まる。情報収集に最適
7月 増加 普通 ★★★☆☆ 下半期スタート。求人が増え始める
8月 多い 普通 ★★★★☆ 欠員補充多め。競争率が低くチャンス
9月 多い 普通 ★★★★☆ 10月入社狙いの採用が集中
10月 減少 低い ★★☆☆☆ 求人が減るが、翌年1月に向けた準備期間
11月 少ない 低い ★★☆☆☆ 年末に向けて活動が落ち着く
12月 少ない 低い ★★☆☆☆ 1〜3月の繁忙期に向けた準備月

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白川凌雅

新卒でリンクアンドモチベーションに入社し、中堅・ベンチャーの組織人事コンサルに従事。 その後、KPMGコンサルティング、他Big4にて上場企業の役員報酬策定や人材開発、PMOをリードし、年間最優秀プロジェクト賞を受賞。

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