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コラム

営業職への転職は未経験でも可能?向いている人の特徴と成功する選び方

✍️ 白川凌雅

「営業に興味があるけれど、未経験でも転職できるのか不安…」「どんな営業職が自分に合っているのかわからない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。営業職は日本の求人市場において常に高い需要がある職種のひとつですが、その幅広さゆえに「自分に合う営業がどれかわからない」という声もよく聞かれます。

営業職には、法人営業・個人営業・ルート営業・新規開拓営業など、さまざまな種類があります。それぞれ求められるスキルや働き方が大きく異なるため、未経験から転職する際は「どの営業職を選ぶか」が成否を大きく左右します。未経験だからこそ、最初の選択が重要なのです。

この記事では、以下のことがわかります。

  • 営業職の転職市場の実態(求人数・年収相場・業種別動向)
  • 未経験から営業に転職できる人・難しい人の違い
  • 営業職の種類を4軸で整理した比較表
  • 向いている人の行動特性ベースの具体的な特徴
  • 転職成功のための自己PR・面接対策のポイント
  • よくある失敗パターンとその対策

営業職の転職市場の実態

営業職への転職を考えるにあたって、まず市場全体の状況を把握しておくことが重要です。求人数の多さ・年収相場・業種別の傾向を理解することで、自分の転職戦略が立てやすくなります。

営業職の求人数と倍率

営業職は日本の転職市場において、常にトップクラスの求人数を誇る職種です。大手転職サービスの掲載件数を見ると、営業関連の求人は全体の20〜30%を占めることも珍しくありません。有効求人倍率も高く、特に法人営業・ITソリューション営業などは慢性的な人材不足が続いています。

未経験者向けの求人も豊富で、「営業未経験歓迎」「第二新卒歓迎」と明示している企業は全営業求人の30〜40%程度あるとされています。つまり、未経験でも転職の土台自体は整っている職種といえます。

年収相場と業種別の違い

営業職の年収は、業種・経験・成果によって大きく異なります。以下は一般的な目安です。

業種 未経験初年度の目安年収 3〜5年後の目安年収
不動産営業 280〜350万円 500〜800万円
IT・SaaS営業 300〜380万円 500〜900万円
医療機器・製薬営業 320〜400万円 550〜900万円
保険・金融営業 250〜350万円 400〜700万円
メーカー(有形)営業 280〜360万円 420〜650万円

インセンティブ制度がある職場では、成果次第で年収が大きく上振れするケースもあります。一方で固定給が低い場合は、最初の数ヶ月は安定収入が得にくい点に注意が必要です。

未経験者が狙いやすい業種・狙いにくい業種

未経験者が比較的入りやすい業種は、不動産・保険・通信・人材・SaaS系です。これらは営業スタイルが確立されており、研修体制が整っている企業が多い傾向があります。

一方、医療機器・製薬・産業機械などの専門性が高い業種は、業界知識や技術的な背景が求められることが多く、未経験から入るハードルが高めです。ただし、前職が医療・理系・エンジニア系であれば、業界知識を武器に転職できるケースもあります。


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未経験から営業に転職できる人・難しい人の違い

未経験から営業職に転職するうえで重要なのは「資格」よりも「人柄・行動特性」です。採用担当者が未経験応募者を見るポイントを踏まえ、転職しやすい人・難しい人の違いを整理します。

未経験から営業に転職しやすい人の特徴

未経験であっても採用されやすい人には、以下のような行動特性が共通して見られます。

コミュニケーション面の特性

  • 初対面の人とも自然に会話を始められる
  • 相手の話を最後まで聞き、要点を整理してから話す
  • 断られてもすぐに立ち直れるメンタルの強さがある

仕事への姿勢面の特性

  • 目標数値に対してプロセスを逆算して行動できる
  • PDCAを意識した振り返りの習慣がある
  • 「なぜ売れなかったか」を自分ごととして分析できる

前職での経験が活かせるケース

  • 接客・販売経験者:顧客対応力がそのまま活かせる
  • 飲食業出身者:ホスピタリティと現場対応力が評価される
  • 教育・塾講師経験者:説明力・傾聴力がセールストークに直結する
  • コールセンター経験者:電話対応・クレーム処理のスキルが活かせる

未経験からの転職が難しいと感じやすい人

以下の特性がある場合、営業職への適性に疑問を持たれる可能性があります。ただし、これらは努力で改善できる部分も多く、「向いていない」と決めつける必要はありません。

  • 断られること・否定されることへの耐性が低い
  • 数値目標に対してプレッシャーを強く感じ、行動が止まる
  • 自分から会話を始めることへの強い抵抗感がある
  • 細かい報告・連絡・相談が苦手

心身への負担が大きいと感じる場合は、無理をせず、医療機関への相談も選択肢のひとつです。

「向いているかどうか」より「どの営業が向いているか」

重要なのは「営業が向いているかどうか」ではなく、「どの種類の営業が自分に合っているか」です。次のセクションで、営業職の種類別の違いを詳しく見ていきましょう。


営業職の種類別比較(法人/個人・有形/無形・ルート/新規)

営業職を「4つの軸」で整理すると、自分に合うタイプを見つけやすくなります。以下の比較表を参考にしてください。

4軸で見る営業職の分類

分類軸 タイプA タイプB
顧客の種類 法人営業(B2B) 個人営業(B2C)
商材の性質 有形商材(物・製品) 無形商材(サービス・情報)
顧客との関係 ルート営業(既存顧客) 新規開拓営業
提案スタイル ソリューション型(課題解決) 提案型(商品説明)

法人営業 vs 個人営業

**法人営業(B2B)**は、企業を相手に営業する形態です。1件あたりの受注単価が大きく、複数の意思決定者を巻き込む提案が求められます。成約まで数週間〜数ヶ月かかることも多いため、粘り強さと論理的な提案力が重要です。

**個人営業(B2C)**は、一般消費者を対象とします。不動産・保険・自動車販売などが代表例です。短いサイクルで成約が決まることも多く、コミュニケーション能力や感情への共感力が求められます。初対面の方との会話が得意な人に向いています。

未経験向けのおすすめ:個人営業(B2C)は、接客業出身者など人と話すことが好きな方が入りやすい傾向があります。ただし、インセンティブ型の給与体系が多いため、安定を重視する方は条件をしっかり確認しましょう。

有形商材営業 vs 無形商材営業

有形商材営業は、製品・物を売る営業です。実物を見せて説明できるため、比較的説明しやすいのが特徴です。メーカーや流通業に多く、安定したルート営業と組み合わせることも多いです。

無形商材営業は、サービス・システム・人材・保険などを売る営業です。「形がないもの」の価値を言葉で伝える力が問われます。難易度は高めですが、成約できれば大きなインセンティブが得られることも多く、SaaS営業・人材営業などは高年収を狙いやすい領域です。

ルート営業 vs 新規開拓営業

ルート営業は、既存顧客を定期的に訪問してニーズを拾い、リピート受注やアップセルを狙う営業スタイルです。飛び込みや電話での新規開拓が少なく、「断られる」機会が少ないため、プレッシャーに弱い人でも続けやすい傾向があります。

新規開拓営業は、まったく新しい顧客を開拓する営業です。テレアポ・飛び込み・展示会営業など、行動量が求められます。断られることへの耐性・自己管理能力が高い人に向いています。成果が直接数値に表れるため、成果主義が好きな人にとってはやりがいのある領域です。


営業転職で成功する自己PR・面接対策

未経験から営業職に転職する場合、面接では「なぜ営業なのか」「未経験でも活躍できるか」を見られます。採用担当者が納得できる回答を用意することが、内定への近道です。

自己PRの作り方:行動特性ベースで伝える

未経験の場合、「営業スキル」ではなく「营業に活かせる行動特性」をアピールすることが重要です。以下のフレームを活用してください。

STARフレーム(状況→課題→行動→結果)

  1. Situation(状況):前職でどんな状況にいたか
  2. Task(課題):どんな課題があったか
  3. Action(行動):あなたがどう行動したか
  4. Result(結果):その結果どうなったか・何を学んだか

例:「前職(飲食店)では、リピーター客の獲得を課題として取り組みました。常連のお客様のお好みを記録し、次回来店時に先手で提案するようにしたところ、担当テーブルのリピート率が3ヶ月で20%向上しました。この経験から、顧客の課題を先読みして提案する力が、営業にも直結すると考えています」

志望動機の構成:なぜこの営業か・なぜこの会社か

営業職への志望動機は「なぜ営業全般か」「なぜこの業種・商材か」「なぜこの会社か」の3段階で構成すると説得力が増します。

  • 営業全般への動機:自分の行動特性と営業の相性を説明する
  • 業種・商材への動機:なぜこの商材(製品・サービス)に携わりたいのかを語る
  • 会社への動機:競合他社との差別化ポイントや、その会社独自の魅力を言及する

面接でよく聞かれる質問と回答のポイント

「営業経験がありませんが、なぜ応募しましたか?」 前職の経験と営業の共通点を具体的エピソードで語ること。「向いていると思ったから」だけでは弱い。

「ノルマが未達成の場合はどう対処しますか?」 「まず原因分析をして、上司に相談しながら行動計画を立て直します」など、具体的プロセスを示す。

「どんな営業スタイルを目指しますか?」 顧客の課題を聞き出すことを重視するコンサルティング型など、自分の志向と一致したスタイルを語る。


営業転職でよくある失敗と対策

未経験から営業職に転職した方が陥りやすい失敗パターンを知っておくことで、事前に対策を打てます。

失敗1:営業の種類を絞らずに応募してしまう

「とりあえず営業系なら何でも」と幅広く応募すると、入社後に「思っていた仕事と違う」と感じるリスクが高まります。特に新規開拓主体の職場に入ったのに、飛び込み営業が苦手だったというケースは珍しくありません。

対策:応募前に職場見学・OB訪問・口コミサイトで「1日の仕事の流れ」を必ず確認する。

失敗2:インセンティブ込みの年収を額面どおりに信じてしまう

「年収800万円可能」という求人の数字は、トップ営業マンの最大値であることがほとんどです。入社後の固定給・平均年収・インセンティブの支払い条件を確認しないと、想定より大幅に低い年収になってしまいます。

対策:「入社1年目の平均年収」「固定給の金額」を面接時に必ず確認する。

失敗3:研修体制を確認せずに入社してしまう

未経験者がいきなり現場に放り出される職場もあります。研修期間・ロールプレイング・同行研修の有無を確認せずに入社すると、「何も教えてもらえない」という状況に陥るリスクがあります。

対策:「未経験者向けの研修制度はどのくらいありますか?」と面接で必ず質問する。一般的な企業であれば入社後1〜3ヶ月の研修期間が設けられています。

失敗4:転職後すぐに結果を求めすぎてしまう

営業は、入社直後から成果が出るわけではありません。業界知識・商品知識・社内の人脈形成に最低でも3〜6ヶ月はかかります。すぐに結果が出ないと焦って退職してしまうと、また転職活動を繰り返すことになります。

対策:入社後最初の3ヶ月は「インプット期間」と割り切り、成果よりも行動量(架電数・訪問数)に集中する。

失敗5:ブラック営業職に入ってしまう

残業が多い・給与未払い・パワハラが横行している職場に入ってしまうリスクもあります。求人票だけで判断せず、口コミ情報も確認することが大切です。

対策:転職エージェントを活用し、内部情報を事前に収集する。エージェントは企業の内情を把握していることが多いため、表に出にくい情報を教えてもらえる場合があります。


よくある質問(FAQ)

Q. 30代・40代の未経験でも営業職に転職できますか? A. 転職できる可能性はあります。ただし、20代に比べると未経験での採用ハードルは上がります。前職での管理職経験・業界知識・人脈などを活かせる営業職(例:前職が製造業なら製造業向けのメーカー営業)を選ぶと採用率が上がります。求人数が最も多い30代前半(30〜33歳)が転職のひとつのピークです。

Q. 営業職は精神的にきついですか? A. ルート営業・法人営業など職種によって大きく異なります。新規開拓営業・テレアポが中心の職場は精神的なタフさが求められますが、ルート営業は比較的安定しています。入社前に「1日の仕事の割合(新規vs既存)」を確認することをおすすめします。精神的な負担が大きいと感じる方は、医療機関への相談も選択肢のひとつです。

Q. 営業職に向いているか事前に確認する方法はありますか? A. アルバイトやインターンで営業体験をするのが最も効果的です。また、「ネットで何かを売ってみる(フリマアプリ・ハンドメイド販売など)」経験も、自分の販売適性を知る参考になります。

Q. 営業職への転職にエージェントは必要ですか? A. 必須ではありませんが、未経験の場合はエージェントを活用することをおすすめします。「未経験でも受け入れてくれる職場かどうか」「研修体制が充実しているか」などの内部情報を、エージェントは持っている場合が多いからです。転職エージェントの選び方についてはこちらもご参照ください。

Q. 営業職で必要な資格はありますか? A. 多くの営業職では特定の資格は必須ではありません。ただし、不動産営業では宅建(宅地建物取引士)、保険営業では生命保険募集人・損害保険募集人の資格取得が求められます。これらは入社後に会社のサポートを受けながら取得するケースがほとんどです。


まとめ

  • 営業職の求人数は転職市場全体の20〜30%を占め、未経験者向け求人も豊富にある
  • 未経験から転職しやすい人の特徴は「行動量を維持できる」「相手の話を聞ける」「立ち直りが早い」など行動特性ベースで判断できる
  • 営業職は「法人/個人」「有形/無形」「ルート/新規」の4軸で分類でき、自分の志向と合うタイプを選ぶことが成功の鍵
  • 未経験者が入りやすいのは、研修体制が整ったルート営業・個人向けの有形商材営業から
  • 面接ではSTARフレームを使い、前職の経験と営業の共通点を具体的に語ることが重要
  • 入社後は最初の3〜6ヶ月をインプット期間と割り切り、成果より行動量に集中することで立ち上がりが早くなる

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この記事の監修・執筆

白川凌雅

新卒でリンクアンドモチベーションに入社し、中堅・ベンチャーの組織人事コンサルに従事。 その後、KPMGコンサルティング、他Big4にて上場企業の役員報酬策定や人材開発、PMOをリードし、年間最優秀プロジェクト賞を受賞。

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