日本人の平均転職回数は?年代・性別データと「転職回数が多い」と見られないための対策
「自分の転職回数は多い方なのか、少ない方なのか」——転職活動を始めると、ふとそんな疑問が浮かぶ方は少なくありません。履歴書に転職歴が並ぶことへの不安や、逆に「1社しか経験していないことが不利にならないか」という心配を抱える方もいます。
転職回数は、採用担当者がどう見るかが重要です。「何回が多くて何回が普通なのか」という基準を知らなければ、書類・面接対策の方向性も定まりません。まず客観的なデータを確認した上で、自分のケースに合った戦略を立てることが大切です。
この記事でわかること:
- 日本人の平均転職回数(年代別・性別・業界別のデータ)
- 企業が転職回数を気にする理由と採用担当者の本音
- 転職回数が多い場合に書類・面接で通過する戦略
- 「何回から多いと見られるか」の目安
- 転職回数が少ない場合のアピール法
- よくある疑問(FAQ)
平均転職回数のデータ(年代別・性別・業界別)
日本全体の転職回数の傾向
厚生労働省の「雇用動向調査」や「就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、日本の労働者が生涯に経験する転職回数は平均2〜3回程度とされています。ただし、これは正規雇用者・非正規雇用者を含む全体の数字であり、キャリア形成の観点では年代・性別・職種によって大きな差があります。
リクルートワークス研究所の調査(2020年代)によると、**転職経験者のうち転職回数が1回の割合は約40%、2〜3回が約35%、4回以上が約25%**という分布となっています。つまり、転職経験者の中でも複数回の転職は珍しくない状況です。
年代別の転職回数の傾向
年代によって転職回数の「平均」は異なります。以下は概算の傾向です。
| 年代 | 典型的な転職回数の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 20代 | 0〜2回 | 第二新卒・キャリアチェンジが多い |
| 30代 | 1〜3回 | スキルアップ・年収アップ目的が増加 |
| 40代 | 2〜4回 | 専門性・マネジメント経験が問われる |
| 50代以上 | 2〜5回 | ベテラン転職・定年前のキャリア再構築 |
20代での転職は「経験が浅い段階でのキャリア模索」として理解されやすい一方、40代・50代での転職回数が多い場合は、各社での在籍期間や成果が厳しく問われる傾向があります。
性別による傾向の違い
厚生労働省の調査では、女性の方が育児・介護などのライフイベントに伴う転職が多く、転職回数自体は男性より多くなるケースも見られます。ただし、採用市場では転職の理由・背景が評価されるため、「女性だから転職回数が多い」こと自体がそのまま不利になるわけではありません。
業界別の転職回数の傾向
業界によって転職が「当たり前」かどうかの文化が大きく異なります。
| 業界 | 転職回数への見方 | 備考 |
|---|---|---|
| IT・エンジニア | 比較的寛容 | 2〜3年での転職は一般的 |
| 医療・介護 | 比較的寛容 | 人材流動性が高い |
| 広告・クリエイティブ | 比較的寛容 | プロジェクト単位での移動が多い |
| 金融・保険 | やや厳しい傾向 | 長期在籍を評価する文化が残る |
| 製造業・インフラ | 厳しい傾向 | 安定志向・長期在籍を重視 |
| 官公庁・公務員 | 厳しい傾向 | 転職文化自体が少ない |
自分が志望する業界の「転職回数への感覚値」を事前に把握しておくことが重要です。
企業が転職回数を気にする理由
採用担当者が抱く3つの懸念
企業が転職回数を確認する背景には、以下のような懸念があります。
1. 早期退職のリスク 転職回数が多い候補者は「また短期間で辞めてしまうのでは」と思われやすいです。特に各社の在籍期間が1〜2年以下の場合、この懸念は強まります。
2. 定着性・協調性への疑問 「なぜこんなに転職しているのか」という疑問は、「どこの職場でも馴染めないのではないか」という見方につながることがあります。
3. スキルの深さへの疑問 短期間の転職が続いている場合、「一つの仕事を深く追求せず、スキルが浅いのでは」という評価をされることもあります。
転職回数より「在籍期間と成果」が重要
実は採用担当者の多くは、転職回数そのものよりも**「各社での在籍期間」と「その間に何を成し遂げたか」**を重視しています。
リクルートが実施したアンケート(採用担当者対象)では、「転職回数が多くても在籍期間が2〜3年以上あれば問題視しない」と回答した担当者が6割以上いたというデータもあります。つまり、転職回数より「なぜ移ったか」「その経験で何を得たか」のストーリーが重要なのです。
転職回数が多くても通過する書類・面接の戦略
書類(履歴書・職務経歴書)での対策
転職回数が多い場合、書類選考での第一印象が特に重要です。以下のポイントを意識して書類を作成しましょう。
各社の経歴を「キャリアの一貫性」でつなぐ バラバラに見える職歴も、一つのテーマでつなぐことができます。たとえば「営業→マーケ→事業企画」という流れは「顧客への価値提供を軸に、上流工程へのキャリアシフト」と説明できます。
在籍期間と成果を明確に書く 「〇年〇月〜〇年〇月(X年Xヶ月)」と在籍期間を正確に示し、各社での主な成果(数値込み)を記載します。
退職理由を「ポジティブな理由」でまとめる 「前向きな理由で移ったこと」が伝わるよう、退職理由を職務経歴書の備考欄に一言添えるのも有効です(「スキルアップのため」「より大きな裁量を求めて」など)。
面接での対策
面接では、転職回数への質問に備えて「キャリアストーリー」を事前に準備しておきましょう。
答え方のフレームワーク:
- 各転職の理由を「前向きな目的」で説明する
- 各社での経験がどのようにつながっているかを示す
- 今回の転職で「ここで長く働きたい理由」を具体的に述べる
例文(転職3回の場合):
「1社目では営業の基礎を学び、2社目ではデジタルマーケティングの専門知識を深めました。3社目では事業企画を担当し、商品開発から収益管理まで経験しました。今回は、これらの経験を活かして貴社の〇〇事業を成長させるお役に立てると考え、志望いたしました」
このように「経験のつながり」と「貢献できる理由」を明確に語ることで、転職回数の多さをマイナスではなく「豊富な経験」として印象づけることができます。
転職回数が多い人に向いている企業の特徴
転職回数が多い方は、以下の特徴を持つ企業を優先して狙うのも一つの戦略です。
- スタートアップ・ベンチャー企業(多様な経験を歓迎する文化)
- IT・エンジニア職(スキル重視で転職歴を問わない傾向)
- 中途採用比率が高い企業(採用担当者が転職慣れしている)
- 外資系企業(ジョブ型雇用が基本でキャリアの流動性を前提としている)
何回から「多い」と判断されるか
年代別の「多い」と見られる転職回数の目安
転職回数が「多い」と見られる基準は、年代と在籍期間によって変わります。あくまでも一般的な目安として参考にしてください。
| 年代 | 「多い」と見られやすい目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 20代 | 4回以上 | 在籍期間が短い場合は3回でも懸念される |
| 30代 | 4〜5回以上 | 在籍1〜2年未満が続く場合は要注意 |
| 40代 | 5〜6回以上 | 在籍期間の長さ・役職経験が重要 |
| 50代 | 6回以上 | 専門性・実績でカバーできる場合も |
ただし、前述の通り業界によって基準が異なります。IT・クリエイティブ系では40代でも5〜6回の転職歴があっても問題視されないケースが多い一方、金融・製造業では30代での3〜4回でも採用担当者が慎重になることがあります。
「在籍期間の短さ」が最も警戒される
転職回数よりも、実は各社での在籍期間が1年未満のケースが連続していることが最もネガティブに評価される傾向があります。
「3ヶ月・6ヶ月・1年」というように短い在籍が続く場合、「定着できない人」というレッテルを貼られるリスクが高まります。この場合、面接での説明が特に重要となり、「短期間での退職に至ったやむを得ない事情」を誠実かつ簡潔に伝えることが求められます。
転職回数が少ない場合のアピール法
「1社のみ経験」のメリットとデメリット
転職回数が0〜1回(1社のみ経験)の場合、以下のメリット・デメリットがあります。
メリット:
- 長期在籍による「安定性・忍耐力・組織への定着性」のアピールになる
- 業務の深さ・専門性をアピールしやすい
- 「腰を据えて働ける人物」という好印象を与えやすい
デメリット:
- 「視野が狭いのでは」「環境変化に弱いのでは」と思われる場合がある
- 1社のカルチャーしか知らないため、多様な職場経験がないと見られることも
- 転職理由が弱いと「安定志向すぎる」と評価されるケースも
転職回数が少ない場合のアピールポイント
1. 長期在籍の中での成長・挑戦をアピール 「1社しかいない」のではなく「1社で幅広いキャリアを積んできた」というフレーミングが重要です。担当業務の変遷、役職の変化、社内での挑戦などを具体的に語りましょう。
2. なぜ今このタイミングで転職するかを明確に 転職回数が少ない人ほど「なぜ今?」という疑問を持たれます。「新しいフェーズに挑戦したい」「外部からの視点でスキルを試したい」という前向きな理由を明確にしておきましょう。
3. 主体的な学習・社外活動をアピール 1社のみの経験であっても、社外の勉強会参加・資格取得・副業経験などがあれば「自己成長への意識が高い」ことをアピールできます。
面接での具体的な答え方
「転職回数が少ない理由は何ですか?」という質問への答え方の例:
「入社した会社で長期的な視点でキャリアを積むことが大切だと考えていました。実際に〇年間で〇〇から〇〇まで経験を広げ、〇〇という成果を出すことができました。今回は外部環境の変化や自分のさらなる成長のため、新たなフィールドに挑戦する時期が来たと判断しました」
「経験の少なさ」を「深い専門性と安定性」に変換し、「今なぜ転職するか」を明確にする構成が効果的です。
FAQ
Q. 転職回数が多いと書類選考で自動的に落とされますか?
A. 一部の大企業では転職回数に上限を設けているケースがありますが、多くの企業では書類選考で一律に落とすわけではありません。転職の理由・在籍期間・実績が伝わる書類を作成することで、転職回数が多くても選考を通過できるケースは十分あります。
Q. 転職回数をごまかして応募してもいいですか?
A. 絶対にNGです。職歴詐称は採用後に発覚した場合、懲戒解雇の対象になる可能性があります。転職回数が多い事実は正直に記載した上で、説明力で勝負することが正しいアプローチです。
Q. 転職エージェントに転職回数が多いことを相談しても大丈夫ですか?
A. もちろん大丈夫です。転職エージェントは転職回数が多い候補者の支援も日常的に行っており、転職回数を踏まえた求人紹介や書類・面接対策のアドバイスを受けることができます。ありのままの状況を伝えて最適な求人を紹介してもらうのが近道です。
Q. 転職回数を気にしない企業を効率的に探すには?
A. 求人票に「転職回数不問」「キャリア採用」「ポテンシャル採用」と記載のある企業を優先するのが効果的です。また、スタートアップや外資系企業は一般的に転職回数への感度が低い傾向があります。転職エージェントに「転職回数を問わない求人を紹介してほしい」と明確に伝えるのも有効です。
Q. 1年未満での退職が複数回ある場合、どう説明すればいいですか?
A. 1年未満の短期退職が複数ある場合は、面接でそれぞれについて正直かつ簡潔に説明することが重要です。「会社都合(倒産・リストラ)」「体調・家族の事情」「職場環境の重大な問題(ハラスメント等)」など事実があれば、その事実を伝えることで理解を得られるケースもあります。言い訳にならないよう簡潔にまとめ、「今後の安定したコミットメント」を強調することが大切です。
Q. 30代で転職回数が5回の場合、転職は難しいですか?
A. 難しくなる可能性はありますが、不可能ではありません。転職回数より「各社での在籍期間」「積み上げてきた専門性」「今回の転職理由の明確さ」が評価の鍵になります。転職エージェントを活用して、自分の経歴を前向きに評価してくれる企業を効率よく探すことをおすすめします。
まとめ
- 日本人の平均転職回数は生涯で2〜3回程度。転職経験者の4人に1人は4回以上の転職経験がある
- 転職回数の「多い・少ない」の基準は年代・業界によって大きく異なる
- 企業が気にするのは転職回数そのものより「在籍期間の短さ」と「退職理由の一貫性」
- 転職回数が多い場合は「キャリアの一貫性」「各社での成果」を書類・面接でしっかりアピールする
- 転職回数が少ない場合は「長期在籍での深い専門性」と「今なぜ転職するか」を明確に語る
- 転職回数を問わない求人(スタートアップ・外資・IT系)を戦略的に狙うのも有効
- 職歴詐称は絶対NG。事実を基にした「ポジティブな説明力」で勝負する
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白川凌雅
新卒でリンクアンドモチベーションに入社し、中堅・ベンチャーの組織人事コンサルに従事。 その後、KPMGコンサルティング、他Big4にて上場企業の役員報酬策定や人材開発、PMOをリードし、年間最優秀プロジェクト賞を受賞。