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コラム

マーケティング職への転職は未経験でも可能?必要なスキルと求人の実態

✍️ 白川凌雅

「マーケティングに転職したい」と思ったとき、「でも未経験では難しいのでは」と壁を感じていませんか。マーケティングは「データ」「広告」「SNS」「ブランド戦略」など守備範囲が広く、どこから入ればいいのかわからない方も多いでしょう。

実際にはマーケティング職も、「Webマーケティング」「データ分析」「ブランドマーケティング」の3つで難易度・年収・未経験可否が大きく異なります。一括りに「マーケティング転職は難しい」と捉えてしまうと、実際にはチャンスがある職種を見落とすことになりかねません。

この記事でわかることは以下のとおりです。

  • マーケティング職の転職市場(需要・年収相場)
  • Webマーケ・データ分析・ブランドマーケの職種別難易度・年収・未経験可否の比較
  • 未経験からマーケティングに転職する現実的なルート
  • マーケティング転職に役立つスキル・ツール・資格
  • 面接でマーケティングへの関心を伝える方法

①マーケティング職の転職市場(需要・年収相場)

マーケティング職への転職を検討するにあたって、まず市場の全体像を理解することが重要です。

マーケティング職の需要は拡大傾向

デジタル化の加速を背景に、マーケティング人材の需要は2020年代に入って大きく増加しています。特にWebマーケティング・デジタルマーケティング領域は、EC・SaaS・D2Cなどの市場拡大に伴い、求人数が5年前と比較して2倍以上になっているとも言われます。

大手転職サービスの掲載状況では、マーケティング関連の求人は常時4,000〜8,000件程度存在しており、デジタルマーケティングに特化した求人だけでも2,000件を超えます。

マーケティング職の年収相場

職種・経験 年収目安
Webマーケ(未経験・ポテンシャル採用) 280〜360万円
Webマーケ(実務2〜4年) 380〜550万円
データアナリスト・マーケ分析(実務3年以上) 450〜700万円
ブランドマーケ(総合消費財・メーカー系) 400〜700万円
CMO・マーケティングマネージャー 700万円以上

マーケティング職の年収は経験年数・スキルセット・業界によって幅が大きいのが特徴です。特にデータ分析ができるマーケターは市場価値が高く、経験5年以上では600万円超の求人も多く出ています。

転職市場でのトレンド

近年の採用トレンドとして注目したいのが、以下の3点です。

  1. データドリブンマーケターへの需要増:「感覚」ではなく「数値」で施策を判断できる人材が強く求められている
  2. コンテンツSEO・SNSマーケの台頭:ブログ・YouTube・TikTokなどを活用したオーガニックマーケのスキルを持つ人材が評価されている
  3. マーケティングオートメーション(MA)ツールの普及:SalesforceやHubSpotなどを使いこなせる人材は採用優先度が高い

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②マーケティングの職種別難易度(Webマーケ/データ分析/ブランド)

マーケティング転職の核心は、「どの職種を狙うか」によって転職の難易度・必要スキル・年収が大きく変わる点にあります。3職種の比較表を以下に示します。

3職種の比較表

比較項目 Webマーケティング データ分析マーケ ブランドマーケティング
転職難易度 中(★★★) 高(★★★★) 高〜非常に高い(★★★★★)
未経験可否 可(一部) 基本的に不可 ほぼ不可
求人数(相対) 多い 中程度 少ない
年収帯 280〜550万円 420〜700万円 350〜700万円
必要スキル SEO・広告運用・SNS SQL・Python・統計 消費者理解・企画・PR
業界 EC・SaaS・スタートアップ IT・金融・製造業 メーカー・小売・FMCG

Webマーケティング

仕事内容:リスティング広告・ディスプレイ広告の運用、SEO対策、コンテンツ制作、SNS運用、アクセス解析、LPO

転職難易度:★★★(中)

未経験からの転職:一部可能。「Webマーケスクール卒業後の転職」「副業・個人サイトでの実績あり」などの場合は未経験扱いでも通過するケースがある。

必要なスキル・ツール:Google Analytics、Google広告、Googleサーチコンソール、SEOの基礎(キーワード選定・内部対策)、エクセルでのデータ集計

ポイント:スタートアップや中小企業のWebマーケポジションは、ポテンシャル採用が比較的多い。スクール経由・個人ブログ・副業実績を「ポートフォリオ」として提示できる人は差別化できる。

データ分析マーケ(マーケティングアナリスト)

仕事内容:購買データ・行動データの分析、広告効果測定、A/Bテストの設計・実施、KPIダッシュボードの作成、施策立案への数値的インサイト提供

転職難易度:★★★★(高)

未経験からの転職:基本的に難しい。SQLやPythonなどの分析スキルがない状態での応募は厳しい。

必要なスキル・ツール:SQL(データ抽出)、Python(分析・可視化)、BIツール(Tableau・Looker)、統計の基礎知識、ビジネス課題への翻訳力

ポイント:IT・金融・製造業・EC企業での需要が高い。年収帯が高く、経験者市場では企業間の取り合いになっているほど希少性がある。SQLが書けるだけでも差別化につながる。

ブランドマーケティング

仕事内容:ブランド戦略の策定、新商品・サービスのマーケティングプラン、PR・広告代理店との協働、消費者調査・市場調査

転職難易度:★★★★★(非常に高い)

未経験からの転職:ほぼ不可。大手メーカー・FMCG(日用消費財)企業は新卒採用でキャリアを育てる傾向が強く、中途採用は経験者に限られるケースが大半。

必要なスキル・経験:マーケティング戦略の立案経験、消費者インサイトの把握、4P(製品・価格・流通・プロモーション)の実務的理解、PMやプランナーとしての企画実績

ポイント:広告代理店・PR会社・調査会社でブランドを扱う業務を経験してから転職するルートが王道。「メーカーのマーケ→スタートアップのブランドマネージャー」といった転職も近年増えている。


③未経験からマーケティングに転職するルート

マーケティング完全未経験からの転職が比較的現実的なのは「Webマーケティング」に絞られます。以下に具体的なルートを示します。

ルート1:Webマーケスクール+副業実績で転職する

最もポピュラーなルートです。3〜6ヶ月のWebマーケスクールを受講し、SEOライティング・広告運用・SNS運用の基礎を学んだ上で転職活動を開始します。

スクール卒業後に「個人ブログで月間3,000PV達成」「副業で中小企業のSNS運用を担当」などの実績を作れると、書類・面接両方で大きな差別化要素になります。スクール卒業だけでは他の応募者と差がつかないため、実績作りが最重要です。

目安期間:スクール3〜6ヶ月+実績作り2〜3ヶ月+転職活動2〜3ヶ月 = 合計7〜12ヶ月

ルート2:広告代理店・Web制作会社で経験を積んでから転職する

事業会社のマーケ職を目指す前に、広告代理店やSEO会社でツールを使った実務経験を積むルートです。1〜2年で複数クライアントのキャンペーン管理・分析を経験できるため、事業会社への転職時に即戦力として評価されやすくなります。

向いている人:今の職種からすぐに転職しにくい(年齢・経験がある)方が、一度業界内でスキルをつけてから本命企業に転職するステップを踏む場合に有効。

ルート3:現職でマーケ業務に近いポジションに異動・兼務してから転職する

社内で「SNS担当」「コンテンツ作成」「イベント企画」などを副業的に担当した経験を積み、それを転職時のアピール材料にする方法です。社内異動でマーケ部門に移った後、スキルアップして転職するパターンも増えています。

ルート4:スタートアップの「マーケ何でも担当」から入る

成長期のスタートアップでは、ひとりでSEO・SNS・メルマガ・広告を一手に担当するポジションが生まれることがあります。業務量は多いですが、短期間で幅広い経験を積める環境です。ポテンシャル重視の採用を行うスタートアップはWebマーケ未経験者の採用に積極的な場合があります。


④マーケティング転職に役立つスキル・ツール・資格

マーケティング職への転職では、スキルや資格の有無が書類通過率を大きく左右します。特にWebマーケ系は実務ツールの操作経験が問われます。

転職に役立つスキル・ツール

ツール・スキル 評価される場面 習得目安
Google Analytics 4(GA4) Webマーケ全般 1〜2週間で基本操作
Google広告(検索・ディスプレイ) リスティング・SEM担当 1〜2ヶ月で実務レベル
SEO基礎(キーワード分析・内部対策) SEO担当・コンテンツ担当 2〜3ヶ月で基礎習得
SQL マーケ分析・データ活用 3〜6ヶ月で実務レベル
Tableau・Looker Studio データ可視化・ダッシュボード作成 1〜3ヶ月
HubSpot・Marketo(MA) インサイドセールス・メールマーケ 1〜2ヶ月で基本操作

転職に役立つ資格

Webマーケティング検定・Google広告認定資格 Googleが提供する公式認定(Googleスキルショップ)は無料で取得でき、面接時に「ツールの公式トレーニングを受けた」というアピールになります。合格率は高く、難関資格ではありませんが「勉強している姿勢」を示せます。

ウェブ解析士 Web解析の専門知識を証明する民間資格。転職市場での認知度は上がっており、「Webマーケターとして体系的な知識がある」と示せます。合格率は約60〜70%で、2〜3ヶ月の学習で取得できるレベルです。

統計検定2級・G検定 データ分析マーケや機械学習・AIを活用したマーケに進みたい方向け。特に統計検定2級はデータに強いマーケターを証明する資格として評価されています。

ポートフォリオの重要性

マーケティング転職では、資格以上に「実績(ポートフォリオ)」が重視されます。

  • 個人ブログのアクセス解析レポート(GA4のスクリーンショット付き)
  • 副業で担当した企業のSNS運用実績(フォロワー数推移・エンゲージメント率)
  • 自分で出稿した広告の結果(CTR・CVRの改善事例)

これらを1枚にまとめた「ポートフォリオシート」は、面接での強力な差別化ツールになります。


⑤面接でマーケティングへの関心をアピールする方法

マーケティング職の面接では、「知識があるかどうか」だけでなく「マーケティング的な思考回路を持っているか」が問われます。

よく聞かれる質問と回答のポイント

「なぜマーケティング職を志望しているのですか?」

「数字を動かすことに魅力を感じる」「消費者の行動に影響を与える仕事をしたい」という軸で語ることが基本です。加えて、なぜその企業のマーケティング部門なのか(企業の商品・ブランド・取り組みへの共感)を具体的に話せると印象が大きく変わります。

「過去の仕事でマーケティングに近い経験はありますか?」

直接のマーケ経験がなくても、以下の経験は関連づけてアピールできます。

  • 営業でターゲット顧客を分析して提案内容を変えた
  • SNSで個人アカウントを運用してフォロワーを増やした
  • 店舗でPOPやディスプレイの改善提案をして売上につながった

「弊社の競合他社と比較して、どう差別化できると思いますか?」

事前に企業の商品・サービス・競合状況をリサーチし、自分なりの見解を持って臨むことが必須です。「御社の○○という点が強みで、△△という施策でさらに伸ばせると思います」という仮説思考を示せると評価されます。

面接前に準備しておくべきこと

  • 応募企業の主要商品・ターゲット顧客・競合を調べる(最低30分のリサーチ)
  • 最近の同社のSNS投稿・広告・メディア露出を確認する
  • 自分が「改善したい施策」や「気になる点」を1〜2つ用意する(「御社の○○はもっと△△できると感じました」という形で)

面接は「知っているかを試される場」ではなく「マーケティング的に物事を考えられるかを見られる場」です。その視点で準備を進めることが成功の鍵です。


⑥FAQ

Q. マーケティングスクールは転職に効果がありますか?

A. スクールそのものが採用を保証するわけではありません。ただし、体系的な知識の習得と「学習の証明」という意味では有効です。スクール修了後に実績を作ることが前提で、「スクールを卒業した」だけでは他の候補者と差別化できません。副業・個人プロジェクト・ボランティアでの実務経験と組み合わせてこそ、転職活動に効果を発揮します。

Q. Webマーケ未経験で転職できる年齢の上限はありますか?

A. 明確な年齢制限はありませんが、30代以降は「ポテンシャル採用」より「スキル・実績での採用」が求められます。30代で未経験からWebマーケに転職する場合、スクール卒業+副業実績に加え、「これまでのキャリアとマーケの掛け算」を示すことが重要です。たとえば「営業経験×デジタルマーケ」「製造業知識×BtoB企業のWebマーケ」など、組み合わせの強みを語れると転職市場での評価が上がります。

Q. データ分析(SQL・Python)は独学で転職できるレベルまで習得できますか?

A. 可能ですが、時間がかかります。SQLは3〜6ヶ月の独学で転職に必要なレベルに達する人が多いです。Pythonはさらに時間がかかり、Pandasでの分析・可視化まで実務レベルで習得するには6〜12ヶ月程度を見込む必要があります。独学と並行してKaggle・競合分析・個人プロジェクトなどでアウトプットを積み上げることが重要です。

Q. 転職後のマーケティング職のキャリアパスはどうなりますか?

A. Webマーケ担当から始めた場合、3〜5年で「Webマーケリーダー」「マーケティングマネージャー」「CMO」へのステップアップが一般的なルートです。または、Webマーケ経験を基盤にデータ分析・グロースハック・プロダクトマーケティングへシフトするキャリアも増えています。マーケターの市場価値は経験年数とともに上昇しやすく、転職回数が増えてもスキルで評価されやすい職種です。

Q. フリーランスのWebマーケターになることはできますか?

A. 可能です。実務経験3〜5年程度を積んだ後にフリーランス転向する方は増えています。まず企業内で実績を積み、クライアントワークを副業で試してから独立するルートが一般的です。フリーランスでは単価交渉力と営業力も必要になります。


まとめ

  • マーケティング職の求人は常時4,000〜8,000件規模で拡大傾向にある
  • Webマーケ・データ分析・ブランドマーケの3職種で難易度・年収・未経験可否が大きく異なる(比較表参照)
  • 未経験からの転職が現実的なのは「Webマーケティング」のみ。データ分析とブランドマーケは実務経験が前提
  • Webマーケ未経験転職には「スクール+実績作り」が必須で、ポートフォリオの準備が採用可否を左右する
  • 転職市場で特に評価されるのはSQLなどのデータスキル、MAツール経験、SEO・広告運用の数値実績
  • 面接では「マーケティング的な思考回路」を示すことが他候補者との差別化になる

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この記事の監修・執筆

白川凌雅

新卒でリンクアンドモチベーションに入社し、中堅・ベンチャーの組織人事コンサルに従事。 その後、KPMGコンサルティング、他Big4にて上場企業の役員報酬策定や人材開発、PMOをリードし、年間最優秀プロジェクト賞を受賞。

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