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コラム

転職が決まったとき職場への退職・挨拶のマナー|「裏切り者」と思わせない伝え方

✍️ 白川凌雅

転職先が決まって「やっと次のステージへ」と思う一方、現職への退職の伝え方に悩む方は多いです。「上司にどう報告すればいい?」「同僚にいつ話す?」「裏切り者と思われたくない」——そんな不安を抱えながら退職交渉をする人は少なくありません。

この記事では、転職が決まったときの職場への伝え方・退職のマナー・「円満退職」のための実践的な方法を解説します。

この記事でわかること:

  • 転職が決まったら最初に誰に報告すべきか
  • 退職の伝え方・タイミングの正しい手順
  • 上司・同僚への退職の挨拶のコツ
  • 「裏切り者」と思われないための辞め方
  • 退職を引き留められた場合の対処法

転職が決まったらまず「直属の上司」に報告する

退職報告の順番

転職先が決まったら、退職の意思を伝える順番が大切です。基本のルールは「直属の上司に最初に報告」することです。

同僚・他部署の上司・人事部など、直属の上司より先に報告することは、上司の立場を軽視する行為と取られる可能性があります。まず上司に報告し、その後の対応(社内への告知方法・引き継ぎ計画)は上司と相談して決めましょう。

報告のタイミング:入社予定日から逆算して考える

退職の申し出は、法律上は2週間前までに申し出れば問題ありません。しかし、ビジネスマナーとしては1〜3ヶ月前に申し出るのが一般的です。

入社日が決まっている場合は、そこから逆算して退職日・退職申し出のタイミングを計算しましょう。

入社日 退職申し出のタイミング(目安)
1ヶ月後 即日〜できるだけ早く報告
2ヶ月後 今すぐ報告
3ヶ月後 余裕を持って報告

引き継ぎに時間がかかる業務や、季節的に忙しい時期がある職場では、早めに申し出るほど円満退職しやすくなります。


上司への退職報告の伝え方

面談の場を設ける

退職の意思を伝えるときは、業務中のその場での声がけではなく、「少しお時間をいただけますか」と個別に面談の場を設けましょう。メールでの報告は失礼にあたるため、最初は必ず対面で伝えることが基本です。

伝え方の例


「実はご相談があるのですが、少しお時間をいただけますか?(個室や静かな場所へ移動後)

実は、転職することを決意しました。〇月〇日付けで退職させていただきたいと考えております。

〇年間、大変お世話になりました。退職まで残りの期間、引き継ぎをしっかり行い、ご迷惑をおかけしないよう努めてまいります。」


ポイントは以下の3つです。

  1. 結論から伝える:「転職することを決意しました」とはっきり言う
  2. 感謝を伝える:「お世話になりました」という言葉を忘れない
  3. 引き継ぎへの誠意を示す:退職後も責任を持って対応する姿勢を示す

転職理由を詳細に説明する必要はない

「なぜ辞めるの?」と聞かれた場合、詳細な理由を伝える義務はありません。「新しいことに挑戦したい」「キャリアを変えたい」という程度の説明で十分です。

現職への不満を理由として並べることは、関係を悪化させる原因になります。ネガティブな理由は、できるだけポジティブな言葉に言い換えましょう。


「裏切り者」と思われないための辞め方

引き継ぎをしっかり行う

退職が決まってからの振る舞いが、「この人は誠実だ」と思われるかどうかを決めます。特に引き継ぎは、後任者や残るチームメンバーへの最後の貢献です。

  • 担当業務のリストを整理する
  • 引き継ぎ資料を作成する(マニュアル・注意事項をまとめた文書)
  • 後任者に直接引き継ぎ説明を行う

引き継ぎが丁寧であればあるほど、退職後の印象が良くなります。

最終日まで手を抜かない

「どうせ辞めるから」という気持ちで仕事をおろそかにすることは、同僚や上司に対して失礼です。最終日まで同じペースで誠実に仕事を続けることが、円満退職の基本です。

同僚への挨拶・感謝を忘れない

退職前に、お世話になった同僚・チームメンバーへの個別の挨拶を忘れずに行いましょう。特にお世話になった方には、メールや手紙で感謝の気持ちを伝えることで、良い関係が退職後も続きます。


退職を引き留められた場合の対処法

「辞める意思は変わりません」と明確に伝える

退職を伝えた後、「条件を改善する」「昇進させる」などの引き留めを受けることがあります。一度決めた転職の意思は、明確に伝えることが大切です。

「ありがたいお話ですが、今回の決断は変わりません。退職の方向でお願いします」と、丁寧に、しかし明確に伝えましょう。

引き留めに乗って転職をやめた場合、「辞めると言えば条件が上がる」と見られ、職場での立場が変わることもあります。

しつこい引き留めには会社側のルールを確認する

就業規則に退職の手続きが定められている場合は、それに従うことが基本です。また、引き留めによって退職日の交渉が長引く場合は、転職先にも事情を説明し、入社日の調整をお願いすることも選択肢のひとつです。


退職の挨拶メール(社内・取引先向け)の例文

社内向け挨拶メール


件名:退職のご挨拶(〔氏名〕)

お世話になっております。〔氏名〕です。

このたび、〇月〇日をもちまして退職することになりました。 〇年間、大変お世話になりました。皆さまのおかげで多くのことを学ぶことができ、心より感謝しております。

引き継ぎにつきましては、〔担当者名〕が担当いたします。何卒よろしくお願いいたします。

末筆ながら、皆さまのご活躍とご健康を心よりお祈り申し上げます。

〔氏名〕


取引先向け挨拶メール


件名:担当変更のご挨拶(〔会社名〕〔氏名〕)

〔取引先会社名〕 〔担当者氏名〕様

平素より大変お世話になっております。〔会社名〕の〔氏名〕です。

私事ではございますが、〇月〇日をもちまして退職することになりました。 在職中は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございました。

後任は〔後任者名〕が担当いたします。引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。

〔氏名〕 〔連絡先〕



転職退職に関するよくある疑問【FAQ】

有給消化と引き継ぎはどう両立する?

退職前の有給消化は権利ですが、引き継ぎが完了していない状態での消化は職場に迷惑をかけることがあります。退職日・引き継ぎ完了日・有給消化開始日を上司と相談して決めることが円満退職の近道です。

退職意思を伝えたら仕事中に無視される・扱いが変わった

退職を告げた後、職場での扱いが変わることは残念ながらあります。しかし、それに対してネガティブに反応せず、最後まで誠実に働くことが大切です。退職日まで「プロとして」の振る舞いを続けましょう。

転職先を同僚に話してもいい?

転職先を同僚に話すかどうかは、状況次第です。話すことで引き留めや妨害が増えるケースもあります。退職日が近づくまでは、転職先は伏せておくほうが無難な場合が多いです。


まとめ

  • 退職の報告は「直属の上司」に最初に行うのが基本ルール
  • タイミングは入社日から逆算して1〜3ヶ月前が目安
  • 対面で「転職を決意した」と明確・簡潔に伝える
  • 引き留めには「意思は変わりません」と明確に伝え、揺れない
  • 引き継ぎを丁寧に行い、最終日まで誠実に仕事をすることが「裏切り者」と思われない最大の対策

退職は終わりではなく、新しいスタートです。最後まで誠実に働き、よい形で今の職場を去りましょう。


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白川凌雅

新卒でリンクアンドモチベーションに入社し、中堅・ベンチャーの組織人事コンサルに従事。 その後、KPMGコンサルティング、他Big4にて上場企業の役員報酬策定や人材開発、PMOをリードし、年間最優秀プロジェクト賞を受賞。