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コラム

20代の転職は何回まで許される?面接官が本音で語る回数の基準と対策

✍️ 白川凌雅

「20代でもう3回転職してるんだけど、面接で転職回数って大丈夫なのかな……」

転職回数が多くなってきた20代の多くが、こうした不安を抱えています。「次の転職活動で転職回数が多いと言われないか」「書類選考の段階で落とされてしまうのでは」という心配は、転職経験が重なるほど大きくなっていきます。

では、面接官は実際に転職回数をどのくらい気にしているのでしょうか。正直に言うと「気にする」のは事実です。ただし、回数そのものより「なぜその回数になったのか」と「次のキャリアの軸があるか」を重視する面接官の方が多いのも事実です。

この記事では、以下のことをお伝えします。

  • 転職回数は採用にどのくらい影響するのか
  • 面接官が転職回数を気にする本当の理由
  • 20代の転職回数の許容ラインを業種・職種別に整理
  • 転職回数が多い20代が面接を突破するための伝え方
  • 回数より大事な「軸の一貫性」の作り方

「転職回数」は採用でどのくらい重視されるのか

書類選考と面接での重要度の違い

転職回数が採用に与える影響は、選考のフェーズによって大きく異なります。

書類選考段階では、転職回数は比較的大きな影響を持ちます。採用担当者が多数の応募者の書類を短時間で選別する際、転職回数が多い候補者は「定着リスクがある人材」として弾かれるケースがあります。特に、大企業や応募数が多い求人ではこの傾向が強くなります。

面接段階に進んだ後は、転職回数そのものより「なぜ転職を繰り返してきたか」「次はどこに向かうのか」という中身が評価されます。転職回数が多くても、面接でしっかりと説明できれば十分挽回できます。

転職回数の重要度は業界・企業によって全然違う

転職回数に対する評価は、企業のカルチャーや業界の慣習によって大きく変わります。

日系大企業や伝統的な業界(製造業、金融、公務員系など)では、転職回数に対する目が厳しい傾向があります。一方、IT・Web業界、ベンチャー・スタートアップ、外資系企業などでは、転職回数への寛容度が高く、むしろ「さまざまな経験を積んできた人材」として評価されることも多いです。

つまり、転職回数が多いことを問題視するかどうかは、応募先の企業・業種によって全く違うということです。

転職回数を重視しない採用担当者も増えている

近年、転職回数よりも「スキル・実績・人柄」を重視する採用担当者が増えています。終身雇用の崩壊と転職市場の拡大により、「転職をしている人=問題のある人」という認識が薄れつつあります。

特に若手採用においては、「どれだけ長く一社に勤めたか」よりも「どれだけ成長意欲があるか」「自社で活躍できそうか」を重視する傾向が強まっています。


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面接官が転職回数を気にする本当の理由

理由①:「また短期で辞めるのではないか」という定着懸念

採用にはコストがかかります。求人広告費、選考にかかる人件費、入社後の研修コスト——これらを合算すると、一人を採用するための費用は数十万〜百万円以上になることも珍しくありません。

そのため、採用担当者は「この人がすぐに辞めないかどうか」を非常に気にします。転職回数が多い人は、過去の傾向から「また短期で辞める可能性がある」と見られやすいのです。

理由②:「会社を選ぶ判断力」への疑問

転職を繰り返しているということは、「入社前に合わない会社を見抜けなかった」とも言えます。採用担当者は「この人はなぜ何度も転職しているのか。会社選びに問題があるのか、それとも本人に問題があるのか」と考えます。

特に、各社での在籍期間が短い場合、「この人は困難な状況をすぐに逃げて解決しようとする傾向があるのでは」という印象を持たれることがあります。

理由③:スキルの深度への不安

複数の職場・職種を短期間で転々としている場合、「どこでも通用するスキルが身についていないのでは」という疑念が生まれます。

一つのことを深く追求してきた経験があるかどうかは、入社後のパフォーマンス予測の指標になります。転職を繰り返してきた人が「各社で何を身につけたか」を語れない場合、この不安が払拭されません。

面接官が転職回数より重視すること

では、面接官が転職回数を確認する真の目的は何かというと、「この人が次の転職先でも同じ理由で辞めるかどうか」を判断することです。

転職回数そのものが問題なのではなく、「また同じことが起きるリスクがあるかどうか」を見ているのです。これは逆に言えば、「次の転職先では同じことは起きない」と論理的に説明できれば、転職回数はさほど大きなマイナスにならないということです。


20代の転職回数の許容ラインを業種・職種別に整理

年齢・社歴別の目安(数字で答える)

「何回まで許される?」という質問に、業種・職種を問わない一般的な目安として数字で答えます。

年齢 許容内 やや多い 厳しい
22〜24歳 〜2社(1回) 3社(2回) 4社以上
25〜27歳 〜3社(2回) 4社(3回) 5社以上
28〜29歳 〜3社(2回) 4〜5社(3〜4回) 6社以上

ただし、この数字は「説明なし」の場合の目安です。各転職理由を論理的に説明できれば、上記の「やや多い」レンジは十分カバー可能です。

業種・職種別の許容ライン

IT・Web業界(エンジニア・デザイナー・Webディレクター) 転職回数への寛容度:高い 理由:業界全体で転職が一般的。スキルドリブンの評価文化。2年ごとの転職でも問題視されにくい。 目安:28歳で4〜5社でも、スキルが証明できれば問題になりにくい。

営業職(特にベンチャー・外資系) 転職回数への寛容度:やや高い 理由:実績・成果があれば評価される文化。転職自体が一般的。 目安:業界・職種が営業で一貫していれば、転職3〜4回でも話せる。

コンサルティング・企画・マーケター 転職回数への寛容度:中程度 理由:多様な経験が価値になるケースと、専門性の深さを見られるケースの両方がある。 目安:転職回数より「何ができるか」の説明が重要。2〜3回は許容内。

一般事務・総務・経理 転職回数への寛容度:やや低い 理由:安定志向の企業が多く、長期雇用を前提とした文化。 目安:25歳以降で3回以上は、説明を丁寧にしないと書類段階で弾かれるケースが増える。

大手メーカー・金融・保険・インフラ 転職回数への寛容度:低い 理由:長期雇用・年功序列文化が残っており、転職回数への目が厳しい。 目安:転職2回(3社)以上は書類選考で不利になりやすい。エージェント経由が有効。

医療・介護・福祉・保育 転職回数への寛容度:中程度 理由:人手不足のため採用に積極的。ただし職種を変えていると評価が下がる。 目安:同職種内での転職なら回数は比較的許容される。

在職期間が回数よりも重視されるケース

転職回数と同様に、採用担当者が気にするのが「各社での在職期間」です。

たとえ転職回数が2回(3社)でも、各社1年未満で退職している場合は「転職回数が多い人」以上に「どこに行っても続かない人」という印象になります。

逆に、転職回数が3〜4回でも、各社に2〜3年在籍している場合は、定着性の問題は軽くなります。転職回数の評価は「回数×在籍期間」のセットで判断されると理解しておきましょう。


転職回数が多い20代が面接を突破するための伝え方

基本の型:転職回数を先に認める

転職回数が多い場合、面接で隠そうとしたり、曖昧にしたりするのは逆効果です。採用担当者は必ず確認してきます。それより先に、自分から「転職回数については、以下の理由でこのようになりました」と先手を打つ方が、信頼感が生まれます。

例文の型 「転職回数について先にご説明させてください。◯回転職をしてきましたが、毎回◯◯という理由がありました。特に(理由の一貫したテーマ)を軸に動いてきた結果、今回の御社への転職を決断しました。」

「一貫したテーマ」を前に出す

転職を繰り返してきた経歴でも、共通するテーマを見つけて「一本の軸」として語ることができます。

例:職種が変わっている場合 「1社目で顧客対応力、2社目でデータ分析、3社目でプロジェクト管理を学びました。この3つを統合して、マーケティング戦略を一貫して担える人材になることが目標です。御社の◯◯という事業はまさにその集大成になると考えています。」

例:業種が変わっている場合 「いくつかの業種を経験してきましたが、共通していたのは『顧客の課題を解決する』という仕事のやりがいです。その軸で最も力を発揮できる環境を探してきた結果、御社の◯◯事業に興味を持ちました。」

「この会社では辞めない理由」を具体的に語る

採用担当者が最も聞きたいのは「なぜうちでは続けられるのか」という点です。過去の転職理由を話した後に、必ず「だから御社では同じ問題は起きない」という論理を語りましょう。

「前職では◯◯が不満でした。御社では◯◯(具体的な環境・条件・文化)があるため、その問題は解決されます。だからこそ、御社で長く働きたいと考えています。」

この「問題→解決の確認→だから御社」という流れが、面接官の不安を最も解消します。

逆質問で「長期就労意欲」を示す

面接の最後に設けられる逆質問の時間は、転職回数が多い人にとって大切な時間です。

「入社後、どのようなキャリアを積んでいける環境ですか」「3年後・5年後にどんな役割を担える可能性がありますか」という質問をすることで、「この人は長期で働く気がある」という印象を与えることができます。


転職回数より大事な「軸の一貫性」の作り方

軸の一貫性とは何か

「軸の一貫性」とは、複数の転職経験を通じて変わらない「自分のキャリアの方向性・価値観」のことです。

転職のたびに「なんとなく嫌だから」「もっと楽そうだから」という理由で動いてきた場合、軸の一貫性がありません。一方、「成長できる環境を追い求めてきた」「顧客に近い仕事がしたかった」「スペシャリストとして深く掘り下げたかった」という一貫したテーマがある場合、転職回数が多くても評価されやすくなります。

過去の転職を「ストーリー」にする方法

自分の転職歴を振り返り、「なぜその転職をしたか」を書き出してみましょう。バラバラに見える理由でも、よく見ると共通するテーマが見えてきます。

ワーク:転職ストーリーの作り方

  1. 各転職での「辞めた理由」を書き出す
  2. 各転職での「入社した理由(入社先に期待したこと)」を書き出す
  3. 辞めた理由と入社理由の中から「共通する言葉・テーマ」を探す
  4. そのテーマを「自分がキャリアで大切にしてきたこと」として言語化する

たとえば「1社目:成長機会が少ないから辞めた→2社目:スキルが身につく環境だと思ったから入った→3社目:より専門性を深めたかったから転職した」という流れからは、「常に自分の成長環境を求めてきた」というテーマが見えてきます。

次の転職で「軸を固める」

転職回数が多い人が次の転職で最も大切にすべきことは、「ここで軸を固める」という意識です。

今後も「なんとなく合わなかった」「思っていたのと違った」という転職を繰り返すと、軸の一貫性がどんどん見えにくくなります。次の転職では、5年後・10年後の自分のキャリア像から逆算した会社選びをすることで、定着率と転職先での充実度が大きく変わります。


FAQ

Q. 20代で転職4回は多すぎますか?

A. 28〜29歳で転職4回(5社目)は「多い」と見られることが増えますが、説明できれば致命的ではありません。IT・ベンチャー系や営業職では特に許容度が高く、各社での在籍期間が1〜2年以上あれば面接で挽回できます。書類選考の段階での通過率を上げるために、転職エージェント経由での応募が有効です。

Q. 転職回数が多い場合、履歴書でどう書けばいいですか?

A. 事実を正確に書くことが原則です。転職回数を減らして書くのは経歴詐称に当たるため、絶対に避けてください。アルバイトや短期の業務委託は職歴に含めなくてよいですが、正社員・契約社員の経歴は全て記載が必要です。回数が多い場合は、職務経歴書で各社での学びや成果を丁寧に説明することで補います。

Q. 転職回数が多い場合、大手企業への転職は無理ですか?

A. 書類選考のハードルは高くなりますが、不可能ではありません。大手企業でも中途採用枠があり、転職エージェントを通じて事前に担当者に人物像を伝えてもらうことで、書類選考の通過率が上がるケースがあります。また、大手企業の中でもベンチャーマインドのある事業部門や、スタートアップから大手に変わったような企業は転職回数への寛容度が高い傾向があります。

Q. 転職回数が多い場合、面接で謝った方がいいですか?

A. 謝る必要はありません。「転職回数が多くてすみません」と謝ることは、自信のなさを伝えるだけで逆効果です。代わりに、転職回数に至った経緯を「論理的に・前向きに・自信を持って」説明することが重要です。「この転職経験があったからこそ、今の自分がある」というスタンスで語りましょう。

Q. 転職回数が多いと年収交渉に不利ですか?

A. 転職回数が多いこと自体は年収交渉の直接的な不利にはなりません。年収交渉で大切なのは「自分のスキル・実績」と「市場価値の把握」です。転職エージェントに「この経歴で相場はいくらか」を確認したうえで交渉に臨むことで、転職回数に関わらず納得感のある年収を目指せます。


まとめ

  • 転職回数の影響は書類選考>面接。書類段階はエージェント活用でカバーできる
  • 面接官が転職回数を気にするのは「また辞めるかどうか」を見極めるため
  • 20代の許容ライン目安:25〜27歳で3社(2回)は許容内。4社以上は説明力が必要
  • 業種によって許容度は大きく異なる。IT・ベンチャーは高い、大手メーカー・金融は低い
  • 面接では転職回数を先に認め、「一貫したテーマ」と「この会社では続けられる理由」を語る
  • 転職回数より重要なのは「軸の一貫性」。過去の転職を一本のストーリーにまとめること

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この記事の監修・執筆

白川凌雅

新卒でリンクアンドモチベーションに入社し、中堅・ベンチャーの組織人事コンサルに従事。 その後、KPMGコンサルティング、他Big4にて上場企業の役員報酬策定や人材開発、PMOをリードし、年間最優秀プロジェクト賞を受賞。

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